政府が打ち出した「外国人労働者制度改善策」には実現の可能性がとぼしいか副作用が懸念される内容が盛り込まれている。93年以降離脱した産業研修生と密入国労働者27万人を長い間放置しておきながら、8ヵ月で全員捕まえて追放するということが現在の取り締まりの人員と収容施設で実現できるのか疑問である。政府は進んで申告する者に限って罰金を免除し、再入国のチャンスを与える方式で自主出国を促す計画だが、不法滞留で得られる利益の方が多いため、どれほど成果が挙げられるかは未知数である。
不法滞留者27万人を、一度に送り返す場合に予想される建設業と3D業種の厳しい人手不足も心配だ。これは労働依存度が高い産業の競争力を低下させ、生産基地の海外移転に拍車をかける可能性も否定できない。
密入国したり滞留期間が切れた状態で、食堂などサービス業に従事している中国同胞の就労を合法化する案は、ともすれば外国労働者が製造業から抜け出して比較的に労働環境が良いサービス業に大挙移ってしまう現象を、あおるのではないか懸念される。外国人労働者の就労を認めるサービス業の範囲を広げるのは、韓国人の働き口の減少につながりかねない。
根本的に外国人労働者への管理を強化しなければならない。不法に入国したり滞留期間を過ぎていても出国するとき500万ウォン以下の罰金を科すだけの現行制度では外国人労働者の不法入国と滞留を根絶し難い。中国などから劣悪な密航船に乗り込んで韓国へ入ってくる数多い人が命を失う事故が頻発しているのも、外国人労働者に対する緩い管理がもたらした惨事だという指摘もある。
悪徳な雇用主の賃金搾取(さくしゅ)と人権じゅうりん、労働者の産業災害による疾病の治療などについても政府レベルの対策が求められる。かつて韓国の労働者が西ドイツの炭鉱へ、厳しい暑さの中東へ出稼ぎに行った時期もあった。厳しかった時期を忘れて韓国に出稼ぎにきている外国人労働者への待遇を疎かにしては、国家のイメージに大きなダメージを負わせてしまう。






