中道右派が第2回投票で圧勝する場合、西ヨーロッパの右派の風はさらに強まるものと予想される。一方、80年代以降フランス政治の中心にいた左派の政治的立場は、大きく脅かされることになる。
得票率と予想議席数の差が大きいのは、投票を1回、2回の2度にわたって行なう選挙方式のため。第1回で選挙区の有権者の12.5%以上の得票率を得た候補者を対象に第2回投票を実施、最多得票者が任期5年の下院議員に当選する。
大統領選で突風を巻き起こしたルペン党首率いる国民戦線(FN)などの極右派は、12.6%を得て2議席程度に止まると予想されている。
サッカー・ワールドカップ期間中に行なわれる今回の投票には、有権者4100万人のうち64%が参加、フランス第五共和国史上最低の投票率となった。
▲「同居政権はもう終わり」〓中道右派の勝利の最大要因は、話題が尽きなかった保革同居(Cohabitation)政権の清算を求める国民の共通の認識が形成されたからだ。
同居政権の再現防止に向けて大統領の任期を5年に減らした後、初めて行なわれる総選挙であるうえ、国政の円滑な運営に向け、中道右派の「真の多数」獲得へのシラク大統領の訴えが、効果があったようだ。投票直前の世論調査で、有権者の51%が、今回だけは同居政権の誕生を防がなければならないと答えた。
▲極右派の不振〓今回の投票で、極右派のうちFNの得票率は11.5%。20%に近づいた前の大統領選はもとより、14.94%を得た97年の総選挙第1回投票の時よりも票を減らした。
極右派支持者らが、小選拳区制のもとでは、極右候補が当選しにくいと判断してちゅうちょしたためだ。
右派のシラク大統領が当選して、左派政府に対する不満が多少解消されたから、という分析も出ている。
ルペン党首は選挙が終った後「極右派が13%の支持を得ても当選者がほとんどいないのは、反民主主義的な選挙制度のためだ」と主張した。
朴濟均 phark@donga.com