KBS、MBC、SBSの地上波テレビ3社の放送時間が、W杯開幕45日前の4月15日から1日5時間ずつ延長される。また、W杯開催期間とその一週間後までの5月31日〜7月8日には、24時間放送が認められる。編成可能な内容を、スポーツと健全な番組に制限するものの、放送委員会のこのようの措置で放送時間の延長をめぐる論争は、いったん地上波テレビ3社の判定勝ちに終わった。放送委員会が放送市場のか占事業者である地上波テレビ3社に軍配を上げたのだ。
放送委員会は、今回の決定に向けて、昨年放送協会が時間延長を建議して以来それなりに研究と意見の取りまとめを行ってきたという。W杯という国家的祭典を支えるという確実な名分もある。
しかし今回の決定については、放送委員会の放送哲学の不在と無気力の産物という批判の声も少なくない。放送時間の延長は、それほど簡単な問題ではないという考えからだ。コマーシャル時間や外注制作物、国内制作番組の編成など大部分の放送事業に対する規制は、放送総時間を根拠に行われるからだ。単純に広告市場をみただけでも、3社が毎日5時間ずつ放送時間を増やせば、毎日15時間以上放送する地域民放よりはるかに強い新たなチャンネルがひとつ生まれるのも同然だ。
現在地上波テレビの1日の放送時間を15時間(週末19時間)に制限する根拠は、放送会社の許可証だ。この時間は、事業者らが放送委員会の推薦を受けて(再)許可を得る時に政策指針に沿って認めた時間だ。
過去、石油ショックの時、放送時間を制限したのは、経済的理由からだった。これに対して、1990年代中盤以降に放送時間を制限したのは、狭い市場で生き残らなければならないケーブルテレビなどニューメディア放送の生き残りと関連があった。
地上波3社は、現在放送時間規制により困難な点が多いというが、実際は、必要によって放送委員会の承認を受けて放送時間を延長してきた。昨年の統計だけでも、地上波3社が延長申請した件数が3300件を超え、実際毎日2時間以上放送時間を延長してきた。
延長した時間に放送した番組を見ると、スポーツ中継や芸能・エンターテインメント番組の再放送がそのほとんどを占める。それもそのはずだ。昼や深夜時間帯は、視聴者や広告主にそれほど人気がないため、多くの費用をかけて品質のよい番組を制作して放送するのが困難だからだ。
それにもかかわらず、地上波3社が放送時間延長を要求する理由はある。その時間帯の市場価値が大きくなっている上に、広告市場の拡大など放送総時間の拡大で得られる付随的利益が大きいからだ。
この状況で放送委員会がまず検討すべき事項は、延長時間に当てる番組の編成計画だ。事業者が放送時間を延ばしてどのような番組を放送しようとしているのかをまず検討した上で、チャンネル別に差別化するなどの方法で延長を決定すべきだ。その場合、KBS1テレビに対する時限付き時間延長は可能になる。相対的に高品質番組を送り出している上にコマーシャルをしないという点で、市場に与える影響もほとんどないからだ。
結論を言えば、今回の地上波放送3社に対する放送時間延長は再考すべきだ。延長を求める期間中の編成計画にもとづいて、多角度からの検討が必要だ。「規制緩和」時代と言えども、放送政策の目標は独占・か占を制限し、複数の事業者の生存を可能にすることで多様でレベルの高い番組を視聴者に提供することにある。現時点での放送時間の拡大は、政策目標に正面から反するものだ。
崔栄黙(チェ・ヨンムク)聖公会(ソンゴンフェ)大学教授(マスコミ学)






