金大中(キム・デジュン)大統領は20日に、ブッシュ米大統領と3度目の韓米首脳会談をする。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する両大統領の意見の食い違いが克明に現れている時点での会談だけに、南北関係と韓米同盟関係、そして北東アジアの今後にも関連して、国内外の非常な関心を集めている。ここに、本紙としても、基本的な立場を明らかにしておく。
すでに数回にわたって強調してきたように、韓半島における和解と平和と究極的な統一を積極的に支持する。和解、平和、統一の三つの単語こそ、新しい世紀に南北と海外合わせて約7000万の韓民族がともに手を取って、韓民族の主導のもとにできるだけ早く成し遂げなければならない絶対的な命題なのである。
しかしこの課題が、原則の宣言や合意だけで、まして象徴的なスローガンだけでは、決して成し得ないということを、国民は歴史的経験から学んできた。世界史的な視点で、国家間の合意文や不可侵条約、または平和協定が、紙くずのように破棄されて戦争が起こることを、幾度となく目にしてきた。韓半島だけをみても、これまで画期的な合意がなされたものの、結局は事実上原点に回帰したことが、一度や二度ではなかった。もとより、南北のそのような合意の一つひとつが、韓民族が歩まなければならない道を示す道しるべとなっていたことは事実だ。しかし、韓半島はその美しい修辞学にもかかわらず、危うい局面を幾度となく迎えたことを忘れることはできない。
ならばその原因はどこにあるのか。過ぎたことは論外として現時点に焦点を合わせるならば、まず第一に、北朝鮮の大量破壊兵器(WMD)や大規模な先鋭軍の軍事境界線付近への配備を指摘せざるを得ない。なかでも優先的に指摘することは、核兵器と生物化学兵器などを中心とする大量破壊兵器、そしてその兵器の運搬手段のミサイルである。これらの兵器が使用されれば、南北を問わず民族全体を滅ぼす危険性が高いためだ。
この点が特に強調されるわけは、北朝鮮の政治体制の特異な性格にある。率直に言って、北朝鮮の政治体制は典型的なスターリン的全体主義独裁体制で、このような体制は特定の権力者、そしてその周辺の特権階級の利益のために、多数の国民の基本的自由や福祉を抑圧する。なかでも食糧難がひどくなった1980年代後半以降だけをみても、すでに20年近い歳月にわたって、数百万人を飢え死にさせながらも、そして哀れにも国民の体型が変わるまでにしておきながらも、指導者の還暦だといって大規模な祝典を行ったのだ。この滑けいで恥知らずな行為を全世界に誇らしげに知らしめる非人道的政権が、世界のどこにあるだろうか。このように極端かつ非人道的で、住民によって全くけん制を受けない政権が、非常に危険な兵器を手にし、また手に入れようとしていることに、この地域の国家は緊張しているのである。ましてや、昨年の9・11テロ事件は、テロリズムを国家レベルで支援する政権への警戒心を呼び起こすのに十分であった。
北朝鮮が、大量破壊兵器の製造と拡散防止の国際条約に部分的に応じることで、もはや脅威的で荒っぽい行動には出ないという期待を生むだろう。にもかかわらず、韓国が、そして隣国が、北朝鮮の大量破壊兵器を問題視し続ける理由は、北朝鮮が検証に対して非常に制限的であるということにある。
それだけに、万一北朝鮮が、国際的に信頼に値するレベルでの検証を許可すれば、そしてそのような検証を通じてこの問題への心配から開放させるならば、韓国政府の北朝鮮への支援政策は、いかにその支援の規模が大きくとも、超党的で幅広い国民的支持を確保できるだろう。この点で北朝鮮は、大量破壊兵器、そしてそれに関する計画に関して、韓国や太平洋地域諸国家の疑惑を洗い流すために、最善をつくして誠意ある努力を傾けることが望ましい。ミサイル開発と輸出の完全な中止そして南北の反テロリズム共同宣言採択などが、その第一歩として考えられるだろう。
国民は、韓半島における戦争再発を断固反対する。それはいかなる名分のもとにおいても、民族全体に災いとなるためだ。国民が望むのは平和である。そのために北朝鮮としては、大量破壊兵器の検証に積極的に協力しなければならない。
以上のような脈絡で、韓米首脳会談が、華やかな外交的レトリックで飾られることなく、具体的な情報の交換と分析によって意見の食い違いを調整することで、韓半島和平の実質的進展に向けた一つの確実な歩みとなることを期待する。米国も、その精神が確固であるという姿勢を示さなければならず、戦闘機の販売のような打算的な話をするべきではない。






