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[社説]内閣改造を不祥事の封印に使うな

Posted January. 29, 2002 09:31,   

金大中(キン・テジュン)大統領が長い間先送りにしてきた内閣改造に踏み切るとしているのに、国民の反応はだいたい冷めきっているようだ。全面的か、または、中幅かという内閣改造の幅や「脱政治型、選挙管理内閣」という内閣の性格などについても特別な関心や期待を見せていない。むしろ、(内閣改造を)行うべきとした際は時間を長引かせていたのに、いきなり事前予告まですることからみて、かなり急いでいるなと冷笑的な反応さえみせている。

今回の内閣改造には、もはや任期を1年あまりしか残していない現政権が人心を一新して、国政をまとめる重要な意味が含まれている。にもかかわらず、内閣改造についての国民の関心がこれほど低いのは、政府権力要人の相次ぐ不祥事関与疑惑と、繰り返される嘘によって現政権のリーダーシップそのものが総体的な信頼の危機に直面しているためだ。大統領夫人の甥が主導した「宝物引き上げ事業関連不祥事」に、大統領経済首席秘書官までかかわっていた事実が後で明らかにされたことを受け、局面転換用として内閣改造を急いでいるのではないかという疑問もこのような権力に対する不信からくるものだ。

これはいくら内閣改造を行い、人事を変えるとしても権力に対する国民の不信感を解消しなくては、現政権が残る任期を成功裏に全うするのは厳しいことを示唆している。だからといって、内閣改造が要らないと言っているわけではない。内閣改造はもちろん、全ての不正腐敗にかかわった大統領府、国家情報院など、国の中枢機関の大々的な人事刷新は、かえって遅れたと言わざるを得ない。問題は内閣と大統領府秘書官陣の一部を更迭するほどでは、後を絶たない権力からみの不祥事によって蓄積された国民の憤りと不信を和らげることができない。

まして内閣改造で、今だ実体が明らかになっていないさまざまな不祥事を適当にうやむやにしたり、焦点をぼやかそうとしては、内閣改造の効果まで期待できない。内閣改造で国政刷新の効果を得るためには、あらゆる不祥事の真相を徹底的に突き止めなければならない。大統領首席秘書官らが軒並み召喚され、あらゆる国家機関がかかわった権力型不祥事を大統領だけ知らなかったとしたら、どんな内閣改造を行うとしても、正しい国政運営ができるはずがない。国民が内閣改造について「やっても無駄じゃないか」とし、冷めた反応を示すのもそこにある。「不祥事の実体」が誰なのかは国民の不信を払拭するため、必要ならば金大統領が直接乗り出すのも、これ以上控えるだけが能ではない。

繰り返し強調するが、内閣改造と権力からみの不祥事の実体を明らかにするのは、全く別問題である。現政権は、内閣改造が各種不祥事に封印をするためのものだという印象を与えては、政権の危機が取り返しのつかないほど加速化するという事実を、深刻に受け止めなければならない。