金大中(キム・デジュン)大統領は、一昨日「北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が、工事用の兵営を修理しなおすなど、京義線鉄道の連結に向けた徴候が見られるという報告を受けている」と明らかにした。金大統領が、これまで南北関係の懸案に、北朝鮮側がより積極的に乗り出すことを、首を長くして待っていたことは理解できる。しかし、不確かな「徴候」を急いで公けにしたことは、好ましいとは言えない。
京義線の復旧は、国民すべてが望むことだ。この事業は、6・15南北合同宣言で明らかにした「民族経済の均衡のとれた発展」に向けた象徴であることはもとより、政治・軍事的にも画期的な意味をもつ。しかし、問題は、南北当局が京義線復旧に合意した2000年7月以降、韓国側はすでに工事を終えているのに対し、北朝鮮側は工事をほとんど進めていないという点である。北朝鮮側は、なかでも、昨年5月に軍部隊や兵力、機材を工事現場から撤収させて以来、最近まで何の動きも見せなかった。
こう見ると、京義線復旧の問題は、全面的に北朝鮮側の意志にかかっているということになる。しかし、韓国としては、今まで北朝鮮の真意をつかむことに限界を有するしかなかった。北朝鮮が、工事現場の軍部隊の兵営を補修、増築しているという今回の報告だけを見ても、国防部と統一部の「解釈」に多少の違いがあることも事実だ。
このような状況で、金大統領が、不確かな北朝鮮側の微々たる動きに対して期待を露わにすることは、望ましくないというのが国民の考えだ。国民の目には、まるで韓国政府が、北朝鮮の微動にも一喜一憂するかのように映るためだ。金大統領は、第5回閣僚級会談を控えた昨年9月にも「今回は、京義線問題が必ず合意され、汽車に乗って平壤(ピョンヤン)に行ける日も遠くない」と述べたことがある。今回も、その時の状況が繰り返されるのではないか、心もとない。
大統領の過ぎた期待表明は、南北の協議にもマイナスの影響を与える恐れがある。韓国側が、成果に執着するように映ることで、北朝鮮側に無理な主張をする口実を与えるためだ。国民はすでに、現政権が主導した数回にわたる南北協議で、このような現状を経験ずみだ。
南北の和解協力事業は、南北両者が自ら必要性を感じる時に、しっかりとした基盤の上で進展できるのであり、一方が慌てても事が進むものではない。京義線復旧事業もしかりである。韓国側の鉄道復旧区間が完成している今の状況では、北朝鮮が自発的に出るまでじっと見守るほうがいい。急ぐべきは、北朝鮮の側ではないだろうか。






