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米マスコミ、米政府の人権制約動きを辛らつ批判

米マスコミ、米政府の人権制約動きを辛らつ批判

Posted December. 04, 2001 09:33,   

米政府がテロとの戦争のため外国人テロリストらに対する非公開の軍事裁判を進めているなど人権の一部を制約しようとしていることと関連し、米有力紙は相次いで真っ向からの批判に出ており、これをめぐった論難が日々拡大されつつある。

米ニューヨークタイムズ紙は2日、「戦争と憲法」という題の異例の社説を通じてブッシュ政権が多くの外国人を検挙し、検挙されたテロ容疑者らに対する非公開の軍事裁判を実施しようとしているのは誤ったことだとして、辛らつに批判した。

同紙は「戦時に大統領を批判するのは決して容易なことでない。特に数千人の米国人が死亡した状態で行われている戦争中にはさらに批判が難しいが、反テロに向けた努力を成功させるためには米国人らが積極的に意思表明に出るべき」だと指摘した。

同紙はまた、非公開軍事裁判の法律的問題点などを一々指摘したうえで「米国は法治に基盤を置いた国であって、特定官僚の善意に立脚した国家ではない」としたうえで、「これまで外国の秘密裁判と政治犯に対する不適切な司法慣行を批判してきた米国が自らの基準を見捨てている」と叱咤した。

また、米国民がブッシュ政権が行っている民権制約に対しそれぞれの意見を出さずにいるのは、こうした措置が外国人だけを狙っているため、と分析した上で「テロリストらと国籍・宗教・人種的背景が共通しているという理由だけで外国人の民権を侵害してはならない」と強調した。

同紙は、さらに「我々は、全てがうまくいっている時でなく困難に置かれた時に我々の価値をどのように固守していたかについて審判を受けることになるだろう」とし、「世界がこれを見守っている」と警告した。

時事週刊誌のニュースウィーク誌は「暗やみのなかに閉じ込められた正義」と題付けられた最新号(10日付)のカバーストーリーで、同誌が行った世論調査の結果、回答者の86%が米政府の民権制約が行き過ぎているという見方を示したと報じた。

同誌は、米政府の態度から見る時、追加のテロが発生する場合、さらに過激な措置を取るものと予想されるとし「米国民は、安全だけでなく自由に対しても懸念するようになるだろう」として懸念を示した。

一方、ワシントンポースト紙は2日付の社説で「アフガニスタンで激しい戦いが展開されていて数千人の米国民が戦線に出ている状況で、次の段階のテロとの戦争に対する論議を繰り広げるのは時期的に適切でない」という見方を表明し、性急な戦争拡大への論議にブレーキをかけた。

同紙は、今回の戦争は追加のテロを計画する組織とこれらに資金と兵器を提供する諸勢力への捜査など、米国の緊急な安保脅威に焦点が合わされるべきだと指摘した。



韓起興 eligius@donga.com