Go to contents

隙間を狙え

Posted December. 04, 2001 09:33,   

「世の中で完璧なチームはない」。

歴代ワールドカップ大会(W杯)最強チームとしては1970年メキシコ大会に出場したブラジルが挙げられる。ペレをはじめトスタン、リベリーノ、ジャイルジーニョ、ゲルソンといった各ポジションで最高の選手が出揃った上、5年以上息を合わせてきたベスト・メンバーだけあってチームワークは完璧に近かった。

そのようなブラジルも予選でルーマニアに2点を奪われる苦戦の末、3対2でやっとの思いで勝利し、準々決勝でもペルーに2点を先制されてから4対2で逆転するなど四苦八苦した。「ボールは動くもので、強いチームだって隙間はある」というのを如実に物語る話だ。

2002年W杯組別リーグでポルトガル、ポーランド、米国が韓国の対戦国に決まった。いずれも国際サッカー連盟(FIFA)のランキングなど、客観的な戦力において韓国を凌いでいるため、韓国としては簡単にどのチームには勝てると確信できる根拠がどこにもない。しかし、どのチームであれ、弱点はあるはず。これを正確にキャッチして積極的に活用するのがベスト16入りを果たす近道だろう。

韓国の初戦相手のポーランドはストライカーのオリサデベが「強み」であり「弱み」だ。ポーランドは得点力の弱さを解決するため、ナイジェリア出身の彼を帰化させて地域予選では大きな成果を挙げた。しかし、オリサデベ一人に得点の多くを依存しているのが弱みと分析されている。

ポーランドの代表として出場した国際Aマッチの13試合で10ゴールをたたき出すなど、チーム得点の60%以上をカバーするオリサデベの封鎖こそ当たり前の至上課題だ。

韓国は86年メキシコ大会のアルゼンチン戦でマラドーナを守備するため、受け持ちのマーク・マンとして6人を交代で起用しマラドーナの封鎖には成功したが、その代わり他の選手への守備が緩くなり、敗北を喫した。

しかし、ポーランドの場合は違う。オリサデベ一人だけ徹底的にマークできれば、ポーランド攻撃の半分は防いだものと同然だ。オリサデベと共に2トップとして活躍するクリチャロビーツとドイツのフランクフルトでプレーしている韓国代表の守備手、シム・ジェウォンは、「オリサデベを防げば、クリチャロビーツは活動範囲が狭く鈍いため竦んでしまうだろう」と話した。

韓国が必勝を狙う第2戦の相手国、米国はイングランドのプロリーグでプレーしている6人の選手を含め、欧州で活動している選手が合わせて12人に上る。彼らは体力とスピードを武器にする欧州型サッカーを駆使する。特に94年と98年大会に連続出場した経歴を持つスチュアートとマックスムーアーが攻撃を主導する。しかし、米国はアーグス、レギス、フォーフ、ラモサなど4人の守備手がフラットフォーで布陣する守備陣が最大の弱点と指摘されている。



權純一 stt77@donga.com