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[オピニオン]30秒の勝負

Posted November. 17, 2001 12:13,   

4年前の今頃、金泳三(キム・ヨンサム)前大統領が、当時大統領候補だった李会昌(イフェチャン)氏の圧力に耐えられず、追われるように離党した時とは異なって、今回の金大中(キム・デジュン)大統領の民主党総裁職の辞任は子供同士のけんかにあきあきした父親が「勝手にしろ」と家を後にしたような格好だ。性格は異なるが、このふたつのケースは、いずれも身内同士で争った結果という共通点がある。政権末期には政権党内の「遺産」争奪戦は必然的に起こるものだが、問題の政党はまるで存立目的が党員同士の闘争にでもあるかのように、家長が家を出てから内紛は過熱している。

今回の騒動が再選挙・補欠選挙での与党の敗北に触発されたということは、常識に属するが、重要な点は民心が政権党離れしている背景だ。敵を作りすぎたのも問題だったが、経済不振ももう一つの大きな要因だ。国際的影響によるとは言え、不況の原因がどこにあるにせよ、豊かな生活を求める国民が認めるほど韓国政府の対応が適切だったのかどうかは疑問だ。

これに加え、利権がからむ事業などがあれば、必ずといってよいほど「暴力団」と関係した権力機関や民主党関係者の名が挙がり、資本主義の基本である機会の公平性が破壊されているのも、国民の心を傷つけた。違法事実が明るみに出ていないという当事者らの抗弁は何ら意味を持たない。政権党の実力者は、財界などに請託を強いるなどの圧力をかけ、財界から「うんざりするほどだ」という言葉が聞かれて久しい。しかし、与党関係者は、有権者がそれら事実に気づかないで欲しいと願っているようだが、虫が好すぎる。先日の再選挙・補欠選挙での与党の完敗は、そんな民心が選挙の結果に現れたに過ぎない。

一方、選挙に敗北した民主党は「経済から立て直そう」と経済再建に乗り出すどころか、あきれたことに勢力争いに明け暮れ、その結果総裁が離党するという奇妙な状況を作った。結果はまだ分からないが、大統領の総裁職辞任が政治的混乱を引き起こし、それによって経済的損失が生じる場合、その責任は離党した者とさせた者の両方にある。

特に、大統領が次の大統領選挙に向けた候補も決めずに総裁職を投げ捨てた場合、最も懸念されるのは、公職者に与える影響だ。公職者は、すでに頭の痛いことを伴ったり野党が過度に牽制する政策は「嫌ならやめろ。次の政権でやってみろ」と放り出す万全の準備を整えているような印象を与える。企業の規制緩和問題を次期政権(3年後)に持ち越すという言葉が出始めたが、その代表例だ。大統領選挙は、すでに体勢が決まっており、大臣らの運命は早くも政権とともに終わったのではないかという気さえする。

来年春、峠を迎えるハイニックス半導体の処理問題も、まさしくそんな意味で象徴的ケースとなる可能性は高い。次期政権で聴聞会が開かれるならば、真っ先に槍玉に上がるであろうこの件も、事の張本人の政府が後になって責任を取らないと言い出せば、その負担は当然次期政権のものとなる。改革と構造調整を振り出しに戻す可能性のある官吏達のサボタージュは警戒すべきだ。

今の政治状況は5年前と似通っているが、経済もまたその当時の流れをそっくりそのまま辿っている。設備投資は途方もなく減り、輸出も最悪の状況が続いているのに、中国という強力な変数は日に日に脅威的になっている。四面楚歌の韓国経済にとって、奇しくも来年は、このような問題を解決する上で重要な歴史的な次期に当たるにもかかわらず、政界は勢力争いに明け暮れているとは、韓国経済の今後が思いやられる。

政権末期には、必ずその時しなければいけないことがある。また、時期的に必ずその時点でしかできないこともあるだろう。それが何かを見つけ出し、毅然として執行するならば、政権は今までの過ちをある程度は清算することができるだろう。ボクシング選手が審判に強烈な印象を与えるために、ラウンドごとに最後の30秒に最善を尽くすのと同じような理論が政治にも適用できるのではないだろうか。

金大統領が真に立派な指導者として歴史に記録されたいのなら、行くべき道はまさしくその道だ。クリントン米大統領が再選されたのも、そしてモニカ・ルウィンスキーとスキャンダルを起こしたにもかかわらず退任後も尊敬され続けているのも、結局経済がうまくいっていたからだ。これまで、北にいたずらに手を出し、罪のない観衆に八つ当たりして力を使いきり、残りの時間を絶え抜くことだけでも精一杯かもしれないが、いずれにせよ「残りの30秒」の間、経済に強烈な印象を与えれば、経済と政権に対する評価もともに好転するのではないだろうか。



kyumlee@donga.com