Go to contents

不安な米国人の日常の変化

Posted November. 01, 2001 09:14,   

テロ攻撃に次ぎ、炭疽菌の恐怖、膠着状態の戦争・・・。長期化する非常事態は、米国人の日常に「不安」を植えつけた。しかし、世界の長期紛争地域の住民同様、米国人も「長期非常時」に慣れ始めている。米国人の日常の変化を本紙の取材網とAPなどの外信を通じて覗いてみる。

「数日前、隣人に『これからは水道水を飲んじゃだめだ』と真剣な顔で忠告された。テロリストが水に毒薬を混入するかも知れないから、って・・・」。

カリフォルニア州サンフランシスコの弁護士フィリップさん(40)は、31日に本紙記者とのEメールインタビューで、米国の平凡な家庭を襲ったテロの影響をこう説明した。

彼は「周囲の多くの人々が、テロ、炭疽菌、戦争などの暗いニュースに顔を背けたがっている」とし「妻が通うヨガ講座の受講生が、最近2倍にも増えた」と伝えた。

アリゾナ州フェニックス郊外に住む主婦デビーさん(43)は、AP通信とのインタビューで「この1週間、郵便箱を一度も開けなかった」と語った。バージニア州マナサスに住むソフトウェアーデザイナーのアンジェラさんは、ショッピングモールに行く時は、二人の子供を決して連れて行かない。「少しでも危険要素があることは、無条件に避けること」と、心に決めている。

ニューヨークの弁護士マイケルさんは「大都市は、以前は富と出世を象徴する憧れの対象だったが、もはや『攻撃の対象』というイメージが強まった」とし、郊外に引っ越す計画だと明らかにした。

ミズリー州カンザスのジュリーさんは「数日前、小さな事故で出動した消防士たちが、『恐ろしい』と話し合っているのを耳にした」とし「まるで、子供の頃父が泣くのを見た時のように、心の奥深いところで不安がわきあがるのを感じた」と語った。

UCLA大学の伝染病専門家であるスコットレイン博士は「ひょっとすると私達が過敏に反応しすぎているのかも知れないが、今後どういう脅威が迫ってくるか、それにどう対処しなければならないのかが分からないため、混乱に陥るのもやむを得ない」とし「生物化学テロは、私達の一生の主要争点となるだろう」と懸念した。

将来への悲観論も急速に広がっている。CBSとニューヨークタイムズが、最近共同で実施した世論調査では、追加テロ攻撃があると考えると答えた回答者の割合が、53%を記録、3週間前に比べて1.5倍増えた。

「慎重」にはなるが「非理性的な恐怖」は捨てて日常に戻ろうとする人も多い。オハイオ州のディッケルさんは、今週末は予定通りニューヨークへ家族旅行をする。彼は「周辺からは、計画を取り消せと止められたが、私達の生活を奪われたくない」と語った。

シアトルの薬品取引き監督官であるジョンさん(58)は「マスコミや人々が、なぜこんなに騒ぐのかわからない」とし「一握りにもならない馬鹿どものために、私の日常は変わらない」と自信を見せた。

このような多様な反応に対して、1988年の民主党の大統領候補であり、現在UCLA大学政治学科のマイケル・ドュカキス教授は、本紙記者とのEメールインタビューで、このように強調した。

「9月11日以降、米国は明らかに変わった。しかし、米国は強くて弾力的な社会だ。不安の中でも米国人の基本と理想は変わらないだろう」。



sechepa@donga.com