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[オピニオン]情報化投資で経済回復を

Posted October. 30, 2001 09:04,   

最近、政府は第2段の内需拡大策を打ち出した。過剰設備で困難な状況にある米国の情報技術(IT)産業の調整過程が予想外に深刻なうえ、テロ事件の余波で、対外状況が今後当分の間好転しないものと懸念しているようだ。実際、現在のIT産業は、危機的状況に直面している。

今年に入って、大部分の企業の収益が急激に悪化している。特に、新生ベンチャー企業は、投資資金はもとより、運用資金の調達もかんばしくなく、倒産の危機に追い込まれている。しかし、明らかな事実は、IT産業が現在は困難に直面しているものの、21世紀の知識・情報化時代に韓国の経済成長のエンジンの役割を果たさなければならないということだ。

ところが、これまでの政府の内需拡大策は、消費を中心とした内需景気の活性化に焦点が当てられていた。数回に渡る金利引下げと財政拡大は、マクロ的な面から急激な景気低迷を防ぐには大きく貢献したが、IT産業が直面した危機的状況を乗越えるには限界があった。

よって、今後出される政府の第3段の景気浮揚策には、世界経済が不況の泥沼にはまっている間、企業の情報化投資を誘導し内需面からでも国内のIT企業の販路が開かれるよう、より直接的かつミクロ的な政策が含まれなければならない。

現在、韓国の情報化の水準は、中小企業はもとより大企業や金融機関に至るまで、先進国の企業と比べれば、はるかに脆弱なのが実状だ。金融危機以後、IT産業は大幅の投資拡大により輸出産業としては成長したものの、多くの韓国企業は未だ「デジタル企業」にま生まれ変われずにいる。業務の流れが完全に電算化され、生産性の水準が先進国のライバル企業並みに達した企業は、指で数えるぐらいだ。金融機関の情報化水準は、もっと遅れている。90年代以降、先進各国の金融機関は統合を通じて巨大金融機関に生まれ変わった。自律化とグローバル化に適応するための大規模な電算投資に伴う負担を減らすためだった。

韓国の金融機関の生産性革新に向けた電算投資の規模は、先進各国の金融機関に大きく及ばず、銀行の総資本収益率(ROE)も平均1%で、先進国の10分の1に過ぎない。さらに、金融機関は、災害への備えや保安強化に向けた情報化への投資を怠っている。今回米国で発生したテロ事件を契機に注目された先進各国の金融機関の災害復旧システムは完璧だった。モーガンスタンレーは、遠隔地にリアルタイムの「バックアップ」システムを運用しており、世界貿易センター(WTC)ビルの崩壊による小売部分の資料や施設の損失にもかかわらず、数日内で営業が正常に稼動できた。これに比べれば、韓国の金融機関の災害復旧システムは、初歩的な水準に止まっている。遠隔地に独自のバックアップセンターを保有している金融機関は、銀行の2ヵ所、証券・保険を合わせて4ヵ所に過ぎず、大部分が外部委託や不完全なデータバックアップの水準に止まっている。

従って、企業の情報化投資の拡大に向けた画期的な税制誘引策が、内需拡大の次元からも打ち出されなければならない。現在、中小企業に限って適用されている情報化投資の税額控除の特権と規模は、企業の規模と業種に関係なく大幅に拡大され、加速償却も認められなければならない。但し、このような制度は、経済状況が困難な間に一時的に施行されてこそ、企業の情報化投資を最大限に引き出せるだろう。

このような一時的かつ直接的な税制待遇は、最近取り沙汰されている全産業に渡った一定率の法人税の引き下げよりも有効な景気刺激策となり得るだろう。また安全と保安のための情報化投資は、今すぐ生産性向上に役立つというよりは、コスト面の性格が強いため、このような税制誘引に大きな影響を受けないだろう。この場合、政府はムチも使わなければならない。一定規模以上の民間・政府施設物や金融機関には安全・保安システムの設置を義務づける案だ。ここで敢えて最近訪韓した米プリンストン大学のポール・クルーグマン教授の言葉を借りれば「現在、私たちにすぐに必要なものは、知性的でありながら勇気のある思い切った政策」なのだ。金融財政の面からだけでなく、税制および規制緩和の面からも、このような政策とこれを実践する真のリーダーシップが求められているのだ。

丁文建(チョン・ムンコン)三星経済研究所専務