
ベスト8に進出しただけなのに、あたかも優勝でもしたかのように感激の表情を隠せなかった。自分の拳に口付けをしてはコートを走り回る。
普段無口なスタイルで、観客に対するサービスとは縁遠かった彼の変わった姿に2万5000人余観衆は歓呼をあげた。
メジャー大会個人通産最多勝記録(13勝)保持者の「テニス皇帝」ことサンプラス(30、米国)は、今年に入って同情の対象に転落してしまった。昨年ウィンブルドンでの優勝を最後に14ヵ月間、17大会に出場したが、優勝はなかった。彼のプライドも少しずつ傷つき、禿げはじめた頭からは歳月の空しさを噛み締めなければならなかった。
しかし、サンプラスはシーズン最後のグランドスラム大会の全米オープンで、不屈の闘魂で健在を誇示している。
4日ニューヨークのナショナルテニスセンターで開かれた男子シングルス4回戦。最近不振でシードが上位から10番目まで下がったサンプラスは、今年ウィンブルドンの準優勝者の6番シードの強豪パトリック・ラフター(オーストラリア)を3−1(6−3、6−2、6−7、6−4)で押さえ、ベスト8に進出した。
同日サンプラスは強力なサービスで20のエースをあげ、果敢なネット攻略で相手を制した。さらに60のウイニングショットを放った他、エラーは14ポイントに止まり、完璧に近いプレーを展開した。
大会通産5回目の優勝を狙うサンプラスは、自分より一つ年上のベテラン、アガシ(米国)とベスト4進出へ向けて争う。
「黄昏の決闘」を戦うことになったサンプラスとアガシは90年と95年全米オープンの決勝を含めて31回も対戦している。通産成績ではサンプラスが17勝14敗で優位にあるが、最近の3試合ではアガシに全て負けている。サンプラスは「一難去ってまた一難のように、これよりきびしい対戦はない」として、「彼を下すためにはいつにもなく最善を尽くさなければならない」と述べた。
アガシも「サンプラスとは20年くらい前、アンダー12で初めて戦ったが、その時は僕の背が高かった」とし、「すばらしい試合になると思う。ファンなら我々二人とも勝ってほしいと言うだろうが、トップに向かって一歩も譲らない」と誓った。
一方、女子シングルスでは今年オーストラリア・オープンとフランスオープンに次ぎメジャー3勝を狙っているカプリアティ(米国)がシェット(オーストリア)を2−0(6−3、6−3)で破りベスト8入りした。
昨年チャンピオンの4番シードのビーナスウィリアムズ(米国)もテスチュニ(フランス)を試合開始から54分で2−0(6−4、6−0)でストレート勝ちしており、ベスト8ではクライシュテルス(ベルギー)と対戦する。
金鍾錫 kjs0123@donga.com






