企業を買収合併(M&A)する際、企業の一部資産だけを切り離して選別買収する「資産分割売却」方式を選ぶ場合、買収会社は相対会社の従業員の雇用を承継する義務がないという最高裁判所の初めての判決が下された。
この判決は資産分割売却方式を選んだとしても、それが営業譲渡に当たれば、雇用承継義務があるとした下級審判決を覆したものだ。最高裁判所2部(主審・姜信旭裁判官)は27日、捕項(ポハン)製鉄の系列会社である昌原(チャンウォン)特殊鋼が中央労動委員会を相手取って「不当解雇救済再審判定を取り下げてほしい」として起こした訴訟で、原告敗訴判決を下した原審を破って、再び裁くという趣旨で事件をソウル高等裁判所に戻した。
昌原特殊鋼は97年2月、三米(サムミ)特殊鋼の鋼管と棒鋼部門を引受けた後、三米の従業員2342人のうち、1770人だけを新規採用の形で再雇用し、この過程で外された245人が中央労働委員会に出した不当解雇取消申請が受け入れられると、訴訟を起こした。
最高裁判所の裁判部は「昌原特殊鋼が三米特殊鋼昌原工場の鋼管と棒鋼部門を引受けた当時、三米側は生産性の低迷で両部門を整理することにし、昌原特殊鋼は工場の資産だけを引受け、従業員の雇用承継はしないことで契約を結んだ事実が認められる」と明らかにした。
裁判所は「従って、昌原特殊鋼の資産引受けは、三米側の営業上の人的物的組織を包括的に引受ける営業譲受(三米側としては営業譲渡)とはみなし難いため、雇用承継義務がない」と述べた。
これに対して、民主労総は「昌原特殊鋼の引受けについては、全体の施設と多くの従業員を引き継いだもので、営業譲受に当たるにも関わらず、最高裁判所が雇用承継義務がないという判決を下したのは理解できない」とし、「外国企業や資本家が便法的な方法で企業買収をする中で、労働者の大規模な解雇の道を開いた不当な判決」と主張した。
▲資産分割売却
企業買収の一方式で、買収企業が買収される企業の工場など、資産のみを適当な価格で買い入れる方法。原則として買収企業は、債務と従業員の雇用承継義務を肩代わりしないことになっている。また、買収される企業の営業権などに対しても、価格を支払わない。従来の企業買収方式である「株式の引受け」は、買収される企業の株式を引き受ける際に、その会社の権利義務の一切を渡される方式だ。
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