Go to contents

[社説] 検察総長のために法務長官を替える人事

[社説] 検察総長のために法務長官を替える人事

Posted May. 21, 2001 10:00,   

今月25日で任期が終わる朴舜用(パク・スンヨン)検察総長の後任に、愼承男(シン・スンナム)大検次長が内定された。新しい検察総長の任期(2年)が来年の地方選挙と大統領選挙など、主な政治日程と絡まっていることから、新総長を見る国民の視線は平穏なものにならない。

大統領府青瓦台(チョンワデ)当局者は、人選の背景について「検察内における人事、企画、捜査など、彼の多様な業務経験と推進力が高く評価された」と説明しているが、それが全部だと信じる人は殆どいないだろう。何より金大中(キム・デジュン)大統領の任期後半期の国政運営の構想と密接な関連があると見るべきだろう。

金大統領は全羅南道(チョルラナムド)出身の彼を新検察総長に内定しながら「全羅道出身一色の監査機関」という議論を避けるために法務部長官を交代した。やはり全羅道出身である金正吉(キム・ジョンギル)長官を忠清南道(チュンチョンナムド)出身の安東洙(アン・ドンス)弁護士に交代任命したのである。一見、尤もらしく見えるかもしれないが、よく考えると筋が通らない変な人事である。特定人物を検察総長に選択するために検察を統括する法務長官を替えているからだ。

さらに新任法務長官については、果たして彼が公正な法執行の責任を取る人物として適合しているのかという懐疑論まで出ている。検事生活をした経験があるとは言え、総選挙で連続して3回も落選した民主党地区党委員長としての経歴から見れば、彼が法務長官としてどれほどリーダーシップを発揮できるかは疑問だ。特に「主流派」の検察総長を前にして検察をどう指揮するつもりか分からない。

検察総長内定者は政権の絶対的な必要に応じて任命されたという「限界」を避けられまい。国家情報院長、国税庁長、警察庁長、大統領府民政首席秘書官など、他の公権力機関の責任者がすでに全羅道出身で構成されているなかで、権力機関の中でも核心と言える検察総長の席に座ることになり、公権力ラインは完全に「全羅道一色」となった。今後、主な政治日程を前にしてこれらの公権力ラインがどのように稼動するか見所だ。

今のところ、検察にとって最も至急な課題は国民の信頼を回復することである。これまで検察は、豪華婦人服賄賂疑惑事件などの処理に際し、政権に対してこの上なく弱い姿を見せてきた。このために国民の不信感はこのうえなく深まっている。さらに検察総長内定者は、16代総選挙の選挙違反事件に対する不公正捜査疑惑問題で、昨年に弾劾訴追の対象になった人物でもある。

果たして新検察総長による新しい検察像の実現は可能だろうか。取り敢えず週末か来週明けに予定されている検察幹部の人事を見守りたい。