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法にも涙ありけり

Posted May. 10, 2001 09:13,   

「有銭免除か、無銭有罪か」

おカネで兵隊の免除を買うズルイ人もいれば、カネがなくて軍隊に行けないという気の毒な話もある。

病床の母親にの代わり公益勤務をさぼって行商に出たことで、兵役義務忌容疑で拘束起訴された20代家長に対し、裁判所は異例の善処を施した。

スポーツ選手を夢見ていた鄭(チョン・25)氏は、過度な練習で腰を痛め1998年に「公益勤務」(兵役の一種)の判定を受けた。しかし、日々の食事すら不安な貧しい家庭環境のため、徴集令状を受け取った後も家を離れることができなかった。

路上で人形焼を売っていた父親は家出し、母親まで持病により入院していた。入隊もできないまま働きに出た鄭氏は結局、兵役法違反の容疑で起訴され、99年4月、懲役8ヵ月・執行猶予2年を言い渡された。

「罪の代価」を払って再び公益勤務に当たったものの、母親の手術費用にするため最後の財産であった一間の住家まで手放すなど状況は悪化し、鄭氏は母親に代わって人形焼の荷車を引くことを決心した。そのため、8日間、公益勤務に付かなかった容疑に問われ再び拘束・起訴され1審で懲役6ヵ月の実刑を宣告された。

病に侵された体を引きずり拘置所を行き来していた鄭氏の母親は、「頼りない母親を見て、息子を許してほしい」という嘆願書を裁判所に出した。母は「中学1年の時から一言も愚痴をこぼさず露店商の仕事を手伝い、進学も諦めながら家庭を守ってきた心優しい息子を返してほしい」と訴えた。鄭氏も反省文の中で「涙をぬぐってあげることもできず、拘置所の窓ガラス越しに病気の母親を見つめ、数分も経たないうちに返すしかない親不孝者の胸は張り裂ける思い」だとし、許しを求めた。

2審裁判部のソウル地裁控訴6部(朱基東、チュ・キドン部長判事)は10日、「気の毒な情状を酌量する」とし、鄭氏には懲役6ヵ月の執行猶予1年を宣告した。執行猶予期間中、同じ容疑で拘束起訴された被告に対し再び執行猶予を宣告したのは異例のことだ。



李姃恩 lightee@donga.com