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[社説] 大統領候補はいない?

Posted April. 26, 2001 18:39,   

「与野の大統領候補者の中に大統領に相応しい人はいない」という李・ヘチャン民主党政策委議長の発言は、様々な面で適切とはいえない。李議長の発言には、何よりも自分に対する省察と反省が欠けている。彼は「(次期大統領には)忍耐と説得、摩擦調整能力が必要だが、現在の(与野の)大統領候補の中にはこれを満たす人物はいない」と語った。しかし忍耐と説得、摩擦調整能力が必要なのは、次期大統領だけに限ったことではない。たった今、現執権勢力にも要求される切実な問題だ。今日の国民的危機感は、経済的困難だけに起因するものではない。経済危機そのものより、危機を克服できるビジョンと希望を与えることができない政治の不在と、社会分裂の現状に端を発しているのだ。昨年末の「議員貸し出し」の件以来、事実上政治が失踪している中で社会全般的には「敵味方意識」の摩擦と対立構図が深化しつつある。

与党は国政乱脈の原因として、常に野党の妨害と既得権勢力の反改革的抵抗などのせいにしてきた。しかし与党が相手を根気よく説得し、理解と対立を調整する努力を尽くしたかというと、首を傾げざるを得ない。むしろ数の論理に執着する「力の政治」と「改革-半改革の二分法的アプローチ」によって、社会全体の摩擦と分裂を深めたと言えよう。

従って執権与党の政策委員長ならば、次期大統領候補に気を回す前にこれまでの執権側の誤ったリーダーシップを省察し、反省してしかるべきだ。そしてそれを基にして残された任期だけでも国政を立ち直らせることに最善を尽くすのが正しい順序だ。

もちろん今の地域党の構図を見た場合、次の大統領選で誰が権力を握ったとしても、困難な時期を迎えるだろうということは、充分予想できる問題だ。だとすれば執権側が進んで地域対立主義の構図を緩和させるように努力すべきである。しかし与党は3党連合を通じた地域対決の構図にしがみついているとは、甚だ残念なことだ。

執権党の政策委議長が、このような矛盾には触れないまま大統領選後の危機の可能性を強調するのは、危機感をあおって改憲と政界改編を行い、それを通じて政権再創出を狙っているのではないか、などの下心に対する猜疑心を生む可能性もある。次の大統領が誰になるかは国民が選ぶ問題だ。選挙までまだ1年半以上ある現時点で、「大統領候補に相応しい人はいない」と言い切り、危機を予断するのは政治不安と社会全体の危機感を増幅させるだけである。