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映画「パイラン」 韓国人ヤクザと中国人女性の愛

映画「パイラン」 韓国人ヤクザと中国人女性の愛

Posted April. 20, 2001 19:13,   

潮の匂い漂う仁川(インチョン)。うだつが上がらない一人の男がいた。名はイ・ガンジェ。肩書きこそヤクザだが、若い連中からも「兄貴」と呼ばれず、「ガンジェさん」と呼ばれる三流のヤクザだ。

一方、太白山脈を越えた東海岸沿いのある寒村。真冬だというのに素手で布団の洗濯に励む中国人女性がいた。名はパイラン。田舎の洗濯屋で雑用をしている彼女は、自分の血統を求めて中国から来たものの、行く当てもない身の上だった。

彼女は不法滞在を免れるために金を払って面識もないある韓国人男性の戸籍に入る。しかし彼女は自分を妻として受け入れてくれた男に対する感謝の気持ちを忘れられない。

「シュリ」のチェ・ミンシクと、「星願 fry to me polaris」の香港スター・セシリア・チャン主演の「パイラン」は、山脈をはさんだ二つの海岸が舞台の映画だ。

「8月のクリスマス」が、死によって静かに幕を閉じた愛の悲しさの物語なら、「パイラン」は死から幕を開ける愛の物悲しさを描いた映画だ。

しかし作品全体を見た時、強弱の調節が余りに不規則で、観客の感情移入を妨げるところがあるのが残念である。「鉄道員」の浅田次郎の原作小説「ラブレター」を韓国の実情に合わせて脚色した。28日公開。R15才指定。



權宰賢(グォン・ジェヒョン)記者 confetti@donga.com