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北朝鮮弔問団 ソウル訪問

Posted March. 26, 2001 11:38,   

ヒュンダイ(現代)グループの故チョン・ジュヨン(鄭周永)元名誉会長に対し朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が弔問使節団を派遣したことは南北関係において意味が大きいといえる。もちろん北朝鮮は単なる弔問であるとし、それ以上の意味付けを警戒した。しかし弔問使節団は第5回南北閣僚級会談が延期され、ヒュンダイと北朝鮮のクムガンサン(金剛山)観光事業の代価交渉の先行きが不透明な状態でソウルに来た。しかも韓米首脳会談以降韓米間には北朝鮮に対する考え方の違いが浮き彫りにされつつある状態だ。従って北朝鮮の弔問使節団派遣は米国が何と言おうが北朝鮮は依然として南北関係の改善を望んでおり、特にヒュンダイの対北事業に対する期待と支持を持ち続けるという確固たるシグナルと捉えられる。にもかかわらず、北朝鮮の弔問使節団が今すぐ南北関係に活力をもたらすとは思えない。使節団はソウル滞在中韓国の当局者と会うことを避け、南北関係の進展に関しいかなる言及もしていないからだ。使節団の短かかったソウル滞在を顧みる。

当局間接触避ける

24日シーラ(新羅)ホテルで会った国家情報院の関係者は、「アジア太平洋平和委員会のソン・ホギョン副委員長と面識のある政府関係者らに挨拶ぐらいはあったが、(両当局間に)接触はなかった」と語った。ソン副委員長もホテルを発ちながら記者の質問に「もっぱらチョン・ジュヨン元名誉会長の死去を哀悼するキム・ジョンイル(金正日)将軍の意志を伝えるためだけに来た」と答えた。北朝鮮のこのような態度は弔問団の派遣意志をパンムンジョム(板門店)に設置された当局間チャンネルではなく、「赤十字チャンネル」を通して伝えてきたことから予期されていたことだ。

民間事業の場合、これまで赤十字連絡事務所を間に挟んできた点から北朝鮮が弔問の意味に予め上限を決めておいたことと理解される。

対北ラインまともに稼動しているか

ソン副委員長が24日午後1時8分頃から約2時間半シーラホテルにいた間、韓国当局が見せた姿は、政府の対北ラインがまともに稼動しているのかに対する疑問を投げかけた。国家情報院の高官を始めとする対北ラインは、この日ホテルに状況室を設置するなど総動員された。もちろん北朝鮮高官の訪問であり、身辺の安全を確保する責任があるという説明も可能ではある。しかし彼らが空港とシーラホテルで弔問団にまとわりつくように見えたのは、かえってこのラインが南北当局間のチャンネルとして機能していないのではないかという推測をもたらした。このため政府はソン副委員長との短い出会いで閣僚級会談など韓国の対話再開意志を伝えるだけに止まったのではないかという観測が出ている。

手向けの花と松茸の類似性

ソン副委員長の今回の訪問は昨年9月にソウルを訪問し、松茸を伝えるや否やすぐに戻っていった北朝鮮人民武力部総政治局のパク・ゼギョン(朴在慶・隊長)宣伝副局長の場合と似ている。両氏の滞在時間が約6時間であることや、キム総書記の「意志」だけを伝えたことがそうだ。チョ・ソンテ(趙成台)国防部長官は当時シーラホテルでパク隊長と10数分間歓談し、今回も政府はソン副委員長と短い接触があったと伝えられている。従って南北間にこれからこのような接触が活性化されるという期待も浮上している。多少楽観的ではあるが、これから南北両方に慶弔事がある度にお互いの使節団を派遣することができる先例を残したとの解釈も出ている。



金影植(キム・ヨンシク)記者 spear@donga.com