1.経済回復対策
—いつ頃から景気が好転するだろうか。
「昨年下半期から景気が悪化したのは事実だ。世界的な趨勢だ。改革をより迅速かつ徹底して行えなかったため競争力が低下したのが景気低迷の原因だとみている。今年1、2月には9億ドルの黒字を出した。下半期からは成果を収められると思う。米国経済が回復すれば韓国の景気も急速に回復すると見込まれる」。
—再び悪化するとの懸念があるが。
「株価が若干上がるなどの一時的現象では決して楽観したりしない。民間が中心になって徹底して構造調整を断行し、利益を出す企業は支援して、そうでない企業は淘汰するような経済体質の強化が必要だ」
—4大改革について述べてほしい。
「自慢に聞こえるかもしれないが、IMFは通貨危機を経験した国のうち韓国の4大改革に90点をつけるといった。しかし4大改革は完成したのではない。経済を是正する土台を築いただけだ。ただ、労働分野は足りないという評価が出ているのも周知している」
—金融構造調整は成功を収めたか。
「過去のように政府が金融機関の進退を命令はしない。ただ、中小企業など特別支援や保護が必要な分野については資金を貸すよう要請している。(企業が)利益を出せないなら支援もない。過去のように政治権力が後ろ盾になったり適当にごまかしたりはしない」
—この1年でガス代が25%も引き上げられたが。
「国際原油価格の高騰で値段も引き上げられた。原油価格が下がればガス代も下がる。しかし他の分野においては政府が最善を尽くし、昨年の物価上昇率を3%以内に押さえた。今年も上半期の公共料金を引き上げず、3%以内に押さえる目標だ」
—和議、企業改善作業、法廷管理(日本の会社更生法)企業も回生が可能なら迅速に支援すべきだ。
「利益を出すのかが問題だ。銀行に資金があるなら貸さない理由はない。これから企業は資金を借りる際、政治的背景や担保など要らない」
—「成功した粉飾会計」や「成功した秘密資金」についてのお考えは?
「政府で分かった限りは決して許さない。責任を徹底して追及する。テウ(大宇)でも最高レベルの重役らが10人近く逮捕された。労働者だけが犠牲になったり、経営者を適当に許すなどのことは決してない。テウの会長は今国外に逃げ延びている。所在が分からず、外交通商省で調べている」
昨年末以降低迷している景気が今年下半期から上向きに転じ、米国経済が好転すれば急速に回復すると強調したが、金大統領がその根拠としてあげた金融、企業、公共、労働の4大改革の成功は一般国民の見かたとは相当たる部分で食い違いを見せたと評価された。とりわけ国内の多数の経済専門家らが問題点として指摘した一部の経営が破綻した大企業に対する特恵政策や公企業の天下りなどについてはまったく触れていない。部分的にはあまりにも原論だけを強調し、全体的にはばら色の未来展望を強調したという印象を拭えなかった。
2. 南北関係への展望
—国民の対北感情の整理されていない状態で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日(キム・ジョンイル)総書記のソウル答礼訪問が行なわれるべきか。
「世論調査の結果、国民の90%が金総書記のソウル答礼訪問を希望している。共産主義を支持するとか金総書記を個人的に支持するのではなく、金総書記のソウル訪問が朝鮮半島における戦争の脅威の減少、平和の定着、南北の和解と協力のために望ましいからだ」
—金総書記の答礼訪問はいつ頃になると思うか。
「私もそれが知りたい。この問題はまだ結末がでてない。金総書記が来ることは間違いなく、約束した以上来なければならない。しかし、政府としては急ぐつもりはない。先ず、私が3月にアメリカを訪門し、金総書記が4月にモスクワに行くことになっているようだ。当然、その後になるはずだが、その日程はもう少し話し合っていく予定だ」
—統一への国民のコンセンサスが得られていない状況で、南北関係が急速に進められているのではないか。我々の経済も厳しいのに北に対して支援しすぎている、また、北朝鮮に引きずられているとの意見もあるようだが。
「今すぐ統一しようと言うのではない。統一は20、30年先の事だと考えている。今現在は戦争をせず、和解・協力をしていこうとの意味である。引きずられていると言うが、昨年6月、北朝鮮を訪れた際、北朝鮮は半世紀も主張し続けてきた△駐韓米軍の撤収△連邦制△国家保安法の撤廃などの3つの条項で譲歩した。国家安保法(の撤廃)が金総書記の訪問の前提とは思わない。
決して北朝鮮に一方的に引きずられているのではない。そう見えるのは、北朝鮮がその都度日程や場所を変えたからである。北朝鮮への支援が多すぎるとの意見は間違っている。今まで我々が北朝鮮に与えたのは1億8000万ドルに過ぎない。過去の政権は米50万tなどの2億3000万ドルを与えた。国会で通過した予算の範囲内で与えた。過去、ソ連との国交正常化当時も14億3000万ドルの借款を与えた。過去、西ドイツは東ドイツに15億ドルずつ17年間無償で与えた。
今後の南北間の経済協力は、民間企業家がお互いの利益によって行なうか行なわない市場経済の論理に従うに違いない」
金大統領の南北関係に関する発言の中で最も目を引いたのは、金総書記のソウル答礼訪門の時期であった。金大統領は南北が現在、この問題を話し合っているが、「まだ結末が出ておらず、急ぐ考えもない」と述べ、金総書記の答礼訪門の時期が予想より延ばされる可能性もあることを仄めかした。
金大統領はその具体的な時期について「金総書記の4月のロシア訪問以降」と言いきった上、北朝鮮と話し合う予定だと述べ、金総書記の答訪は早くても5月以降になるとの見通しだ。金総書記のソウル答礼訪門は南北間の時期にたいする合意以外にも韓国内部の「雰囲気作り」などの変数が多い状況だ。
3.ネチズンからの批判の声高まり
KBSがインターネット・ホームページを通じてネチズンから聞きたい質問を受け付けた結果、700件以上の意見が寄せられた。
ここには批判的な主張がかなり多かった。「ソウルに住んでいる学生」と称するイ・ジャンヒョンさんは「経済事情も厳しい現在、北朝鮮への支援が多すぎるのではないか」と質問し、「光州(クァンジュ)市民」と称するネチズンは「今まで履行された約束があったのか。政権の再創出より初心に戻ってほしい」と頼んだ。
また、キム・ジスさんは「タイミングが全然分かっていない。どうして党首会談の直前に安企部事件について流し、年頭記者会見で税務調査(《言論改革》と間違ったようだ)に触れたのか理解し難い」と述べた。
北朝鮮の金正日総書記の答礼訪門と関連しても「金総書記は甚だしい犯罪を犯した人」(政治安定マン_)「答礼訪門に先立ってKAL機爆破事件に対する謝罪が先行されるべき」(リュウ・ヒョンギ)などの意見が受け付けられた。
『国民との対話』の進行中にも冷ややかな反応が少なくなかった。「僕、今インチョン放送(『国民との対話』を放映しなかった地方放送)を見てる・・」(イ・クァンジン)「これからはいつ放映するか知らせてほしい。ビデオ・テープでも何本か借りとくから」(国民)などの意見が掲載された。また、「カンタニ」というネチズンは「金大統領の立派な答弁のように完璧で捕らえ所のない国政を遂行してほしい」と要求したりもした。






