《現代の金剛山(クムガンサン)事業が2年にしてもうこれ以上堪え難い赤字を記録した。これを受けて民間業界では、「政府と企業共に南北経済協力を落ち着いて点検すべき時期がきた」との自省の声が高い。現代建設、現代自動車などの現代系列社が出資して設立した現代アサンは、1998年11月、金剛山観光事業を始めて以来6億1200万ドルをつぎ込んだものの、収入は2億3300万ドルに止まった。なんと3億7900万ドルの赤字を記録したことになる。‘太陽政策’のシンボル的な事業であると共に、失った国土の半分、北朝鮮の土が踏めるとの情緒的な理由などで、2年の間、華やかなスポットライトは浴びたものの、バランスシート上では損害が甚だしかった》
業界は今年の南北経済協力に関して「南北首脳会談以降、開城(ケソン)工業団地、ソウルーシンウジュ(新義州)間鉄道の繋ぎ工事の着工など、新聞の見出しを飾ったニュースは多かったものの、具体的に進められたことは滅多にない」と言いきった。「政府は、民間の南北経済協力事業を対朝政策のテコや成果物として利用しようとする誘惑を抑え付け、民間企業が対朝事業を通じて大金の儲られる環境を作ってくれるべきだ」と業界は口を揃えて主張する。
お金を追う企業の特性上、投資の安全と収益性の保障される環境が整えば、政府に勧められなくても企業は先を争って対朝事業に走るとの指摘だ。
1。南北経協成果の二重性
今年は、民間よりは政府レベルでの南北経済協力が重大な進展を成し遂げた一年として記録されるだろう。
現代経済研究院のキム・ジョンギュン博士は「1989年南北間に単純な交易が始められたのが、1992年、賃加工貿易に発展し、今年は開城工業団地事業、ソウルーシンウジュ間鉄道の繋ぎ工事が着工すると共に、南北の当局者が投資保障協定を結ぶことに合意するなど、交易を越えて韓国の対朝投資が活発に模索されたことが大きな変化と言える」と話した。
韓国開発研究院(KDI)北朝鮮チームのチョ・ドンホ博士は「政府レベルでの南北経済協力は政治的な意味では重大な進展ではあるものの、経済的な観点からは不十分なものだ」と述べた。
政府間の南北経済協力は、本質的に韓国国民の税金や公共資金がその財源になるため、政治的な意志によって決定することができる。とはいえ、企業の対朝投資は、より具体的かつ画期的な投資環境が整えなければ活発になることは難しいとの指摘。
貿易業界のある関係者は「今月初め、北朝鮮が合理的な理由もなしに経済協力物資の運送を妨げるなど、北朝鮮が依然として南北経済協力に関する一貫した原則を見せていない上、金剛山事業が赤字のために危機に立たされるなど、民間の南北経済協力はむしろ後戻りした感が拭えない」と説明した。
また、一部の財閥グループは、対朝事業を先導してきた現代グループが資金乱に陥って以来、政府が対朝投資に乗り出すことを密かに誘導しているが、これといった反応は見当たらない。政府に声をかけられた場合は仕方なく準租税的なレベルでの投資はするものの、受益性への保障のない大規模な対朝事業には乗り出したくないのがこれらグループの本音。
2。南北交易及び対朝投資の右上がりの増加
今年の南北間の交易は、史上初めて4億ドルを越えるなど、一定部分に限り成果を見出した。特に、農水産物の搬入、衣類などの単純賃加工が持続されたため、経済協力の対象が電気電子、自動車などの高付加価値及び核心基幹産業へと移る可能性をはらんでいる。
第一毛織、LG商社、SKグローバルなどが北朝鮮で進めている衣類賃加工は、今はある程度正常な軌道に突入した。
LGと三星(サムスン)の20インチ・テレビとラジカセの生産工場も安定軌道に乗った。三星電子は北朝鮮のソフトウェア人力を利用した事業も始めた。受益性に関する論難はあったものの、統一グループのナンポ自動車工場の建設も計画通りに進められている。
テチャンも7月から金剛山の泉水を輸入して国内で販売しており、緑十字は北朝鮮で生産した薬剤をまもなく国内に搬入する予定だ。
とはいえ、未だに対朝事業を通じて大金を儲けた事業はそう多くない。対朝投資企業人の大部分が北朝鮮出身であり、「現在よりは未来を見通して投資をしている」との彼らの説明はこうした現実を物語る。
3。政府は政府の役割を全うせよ
三星経済研究所のシン・ジホ博士は「政府は、これから政府と民間レベルの南北経済協力事業を厳格に分離し、民間レベルの経済協力には介入せず、企業が安心して北朝鮮に投資できるような制度的な環境作りに励むことだ。つまり、民間企業の投資し難い鉄道、道路、通信などの社会基盤施設の拡充に集中投資すべきである」と主張した。
政府レベルの南北経済協力事業は支援の性格が濃厚になるしかないため、支援の規模、時期、方法などに関して国民の同意を得て執行すべき、受益性が命である企業の対朝事業には政治論理が適用されることがあってはならない。
4。法・制度、何が問題なのか。
金剛山観光事業に伴う赤字累積のために現代側が危機に立たされるなど、民間レベルでの対朝経済協力事業が危機を迎えつつある。`政経分離'の原則を固執している政府の管理機能の不足と南北経済協力の円滑な推進をサポートすべき法的・制度的な装置が欠如しているためである。
南北両側は12月ピョンヤン(平壌)で開かれた第4次閣僚級会談で、投資保障協定、二重課税防止協定などの4大経済協力合意書に署名はしたものの、国内の法的な手続きが残されているため、いくら早くても来年6月以後にならないと対朝経済協力に関する法的保障は期待できない状況だ。
それも、合意書に明示された事項が、南北間の経済協力で起こり得る揉め事の`最小限'を一般的な基準に基づいて規定しているため、実際の経済協力過程で起こるあらゆる揉め事を効果的に解決できるかどうかは疑問である。
三星経済研究所の董竜昇(ドン・ヨンスン)北朝鮮研究チーム長は「大枠の原則に合意したとのことでまったく意味がないとは言えないが、具体的な事例が発生する際、この合意書がどれほど効力を発揮するかは未知数である」と疑問を表した。
民間の対朝事業と関連して承認権は持つものの、事業の受益性や損失の補填などに関しては一切介入しないとの政府の原則も、閉鎖的な北朝鮮社会の特殊性を考慮する時に、無責任であるとの指摘も出始めている。十分な対朝情報を持っていない民間企業の対朝経済協力事業をサポートするために、北朝鮮の社会と市場に関する情報を提供することは政務の責務だとのこと。
むしろ、政府が南北和解・協力ムードを組成するために、北朝鮮の市場の価値を誇張したり、正確なガイドラインを提供する義務を怠ったりするとの苦情も出始めている。
一時、`太陽政策初の結実'として注目された現代の金剛山観光事業の場合、最初から受益性がないとの指摘にもかかわらず、無理やり無理おしに推進して失敗してしまった代表的なケースであり、南北共に今後の対朝事業の教訓として鑑みるべきだとの指摘だ。
東国(ドンクック)大の高有煥(コ・ユファン)教授は「韓国が習った教訓に劣らず、北朝鮮も経済協力を通じて何かを習うことを望むなら、韓国の資本が入ってきても利潤が得られるとの確信が持てるよう体制の整備に乗り出すべきだ」と強調した。






