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ブッシュの対北政策展望

Posted November. 08, 2000 19:43,   

「忙しくなりそうだ」

米国の大統領選挙でジョージ・W・ブッシュ共和党候補が大統領に当選したことに対する政府の上部官僚による一声だ。政府の関係者らは大部分が共和党が政府に変わっても対北政策に大きな変化はないだろうと予想しながらも多少の負担を感じる様子であった。

7月の末に採択された共和党の政綱は北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が国際社会から離脱しており、南北首脳会談以後も未だ朝鮮半島における戦争勃発の可能性はあると前提している。韓国の対北包容政策とは根本的に違う見解を示している。

金聖翰(キム・ソンハン)外交安保研究院教授は「ブッシュの行政部が既存の対北介入政策を諦めはしないだろう」としながらも、「一方的な対北支援に対する再考、重油及び食糧支援の転用可能性の問題などを挙げながら徹底的な相互主義を北朝鮮側に要求する可能性が高い」と予測した。よって、朝ー米間の最大懸案でありながら国際的関心を集めているビル・クリントン大統領の訪北実現問題においても、ミサイル問題の可視的な解決など、北朝鮮側の態度に変化がない限り、ブッシュ当選者がこれにブレーキをかける可能性が大きい。政府の上部関係者は「米国務省の一角では政権が交代すると政治的負担がなくなるため、ビル・クリントン大統領の訪北が却って実現しやすくなるかもしれない」という見解もあるが、米国内の世論がこれを容赦しないだろう」と語った。

対北包容よりは対北抑止の方に近いブッシュ候補の当選は雪解け雰囲気の南北関係にも多少の負担を与えると思われる。これに関連して姜声允(カン・ソンユン)東国(ドングッ)大学教授は「米政権の交代時期に北朝鮮がどれ程の変化を見せるかが最も重要な問題として浮上するだろう」と述べ、「短期的には南北関係は却って速度が上がると見られる」との見解を示した。ブッシュの次期行政部の就任後、始めて行われる国家安全保障会議(NSC)にて、対外政策の基調を明らかにする前に南北関係の推移を探ると思われるからだ。北朝鮮の変化に対する意思を最も確実に示せるメッセージは金正日(キム・ジョンイル)総書記のソウル訪問へと繋がる南北共同宣言の履行だ。離散家族訪問団の交換や南北間の人的、物質的交流も指標になり得るだろう。北朝鮮側がこのような争点において最大限に誠意を示せば、ブッシュの次期行政部も対北政策の樹立と運営において、より融通性と弾力性を備えることができると見られる。

どのような場合においてもブッシュ行政部の登場は朝ー米、南北、韓ー米関係だけでなく、韓国の4強外交にもかなりの影響を与えるため、これに対する徹底的な対応策を設ける必要があるとの指摘が出ている。ソウル大学外交学科の尹永寛(ユン・ヨンガン)教授は「ブッシュ候補はロシアと中国が反対している国家ミサイル防禦体制(NMD)を積極的に進める見通しだ、と公言した。特に米ー中間の対立は朝鮮半島問題にも否定的な影響を与え兼ねない」と警告した。尹教授は「朝鮮半島の周囲環境が悪化する可能性が高いだけに、これに対してどれ程の外交力を発揮できるかが政府の重大な課題になるだろう」との見解を示した。