時間が経つにつれますます謎が増していく。誰が嘘をついているのか本当に分からない状態だ。東邦(トンバン)金庫不正貸出し事件の核心人物である、韓国デジタルラインの鄭鍱逷(ジョン・ヒョンジュン)社長と東邦金庫の李京子(イ・キョンジャ)副会長が、一昨日前に行われた国会政務委の証人尋問で全く違った証言をしたため、疑惑が解消されたどころか増幅してしまった。
まず、この二人は与党実勢の介入について相反する主張をしている。鄭氏は「李氏から多くの与党の実勢を知っているという話を聞いており、そこには民主党の権魯甲(クォン・ノガプ)最高委員と金弘一(キム・ホンイル)議員が含まれていた」と述べた。鄭氏は李氏がシンヤンファクトリング代表のオ氏を通して高位関係者を知ったとしながら、状況の説明までもして見せた。しかし、李氏は“鄭氏は嘘が上手だ”と言いながらそれを否認した。
金融監督院のロビーについても、驚くべき証言が出た。鄭氏は李氏から「李容根(イ・ヨングン)前監督院長を韓国デジタルラインの会長に座らせるよう」との提案を受けたことがあるとし、金融監督院の高位幹部に対するロビー行為の可能性をほのめかした。鄭氏はまた、李氏にロビー用の白紙小切手を渡したと証言しているが、李氏はそんな事実はないと反駁した。
鄭氏と李氏の主張が食い違っているのは勿論、一部の証言は警察の捜査ブリーフィングの内容とも差がある。検察は、「これまで私設ファンドに加入した人々が大部分偽名を使用しているため、実名の確認作業が難しい」と話しているが、鄭氏は“実名で募集した”としている。ファンドを設立した際、金額の大きいものは李氏を通して入ってきたという証言も出ている。
警察の捜査が進められている状況の中、誰が嘘をついているのか簡単に判断を下ろすことはできない。しかし我々は鄭氏が比較的一貫した主張をしていることに注目する必要がある。鄭氏が検察でどのような供述をしているのかは知る術がないが、彼は検察に出頭する前から李氏が有力人事のロビーとファンド加入を主導したと主張している。反面、李氏は重要な部分では話を変えたり、口を閉ざしてしまう。
にもかかわらず検察は、李氏より鄭氏の周辺捜査に重きを置いているような態度を見せてきた。その上、政官界のロビーを担当してきたのではないかと疑われている東邦金庫のユ・ジョウン社長とシンヤンファクトリング代表のオ氏など、李氏の側近が相次ぎ海外に逃避し、李前金融監督院長も先月の末に米国に出国したと伝えられている。
検察は彼らの逃避幇助疑惑を拭い捨てるためにも、誰が嘘をついているのか明白にするべきだ。






