25日午後、ソウル鐘路(チョンノ)5街にあるキリスト教会館。`10・26(朴正煕前大統領の暗殺事件)への再評価と金載圭(キム・ジェギュ)将軍の名誉回復推進委員会の結成大会'と書かれた垂れ幕が掛けられている。ここで開かれる行事は、民主化や社会正義、民族精気など、その指向するところはいつも同質的なものだ。金載圭前中央情報部長の話した10・26の動機の中でもっとも明快だったのは、事件後1ヶ月ぶりに吐き出した軍事法廷での最後の陳述であった。彼は最後の陳述で事件を起こした動機について「第一に、自由民主主義を回復することと、第二に、この国の国民の多くなるはずだった犠牲を減らすことだった」と主張した。
10・26への再評価についてはかなり以前から提起されてきてが、金載圭前中央情報部長の名誉回復運動をする団体が公開的に組織されたのはこれが初めてのことのようだ。主宰側は結成宣言文で金載圭を処刑した全斗煥(ジョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)前大統領などの新軍部の核心メンバーが司法的な断罪を受けたため、10・26の歴史が再照明されなければならないと主張した。宣言文では「朴正煕の追随勢力が朴正煕記念館を建立すると言った上で、金大中大統領は国家予算でこれを支援すると発表したが、これは歴史の恐ろしさを知らない反民族的なこととしか言えない」と批判した。
一方、26日午前、ソウル・銅雀(ドンジャク)洞所在の国立墓地では、朴正煕前大統領の21周忌の追慕式が行なわれた。この行事には金鐘泌(キム・ジョンピル)自民連名誉総裁と白南檍(ペク・ナムオク)民族中興会長などの共和党政権当時の高位級人事が参席した。前日のキリスト教会館に集まった顔触れとは余りにも対照的な道程をたどってきた人々であった。金名誉総裁はこの場を借りて、「朴正煕記念館の建立が正式に始まるようになって嬉しく思う」と話した。
しかし、先週には姜万吉(カン・マンギル)高麗大学の教授をはじめとする大学教授649人が朴正煕記念館の建立反対署名に参加し、「政府は反民主勢力と和解するための記念事業を一日も早く中断すべきだ」と促した後、「金大統領は同記念事業委員会の名誉委員長を辞退しろ」とも要求した。李敦明(イ・ドンミョン)弁護士は、「朴正煕記念館を推進する動きがある以上は、金載圭将軍の名誉回復運動をせざるを得なくなった」と説明した。反独裁民主化勢力を基盤に集権した金大統領が、彼らとは反対側に立っている今日の現実を我々はどう受け止めるべきだろう。
金在洪(キム・ジェホン)記者 nieman96@donga.com






