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南北スポーツ界、逸材がいない

Posted October. 02, 2000 19:37,   

目を凝らして見ても、見込みのある人材が見えてこない。

韓国の五輪金メダルのドル箱種目と呼ばれている、格闘種目の指導者たちのため息交じりの声だ。すでにボクシングは、10年余り前から見込みある人材の種が切れてしまった。柔道・レスリングも同様だ。柔道男子国家代表のパク・ジョンハク監督は、5、6年前から子どもたちが体力を非常に使う運動を全くやろうとしなくなったと語る。また見込みのある子どもたちは、両親がやめさせたり、方向転換するのがお決まりのコースであるという。そのことによる世代交代の失敗が、シドニー五輪の「柔道金メダル無し」という結果として現れたのであり、このような現象はこの先もっと進むだろうと思われる。女子柔道の場合、引退したチョ・ミンソン(鉠敏仙)、チョン・ソンスク(鄭成淑)を再び復帰させたということは、どれほど悲惨な状況であったのであろう。

レスリングも心配の種である。今回の五輪ではたいへんな訓練量で不振を免れたが、一体いつまでシム・クォンホ(沈權虎)など数人のみに頼ることができるだろうか。大学のあるマラソンチーム監督は全国津々浦々探し回ったが、ファン・ヨンジョ(黄永祚)のような逸材までいかなくとも、少しましな子どもを捜すことさえ難しいと語った。今の世の中、誰が苦しい思いをして走ろうとするだろうか。彼は韓国マラソンが約10年間、ただひたすらイ・ボンジュ(李鳳柱)一人に頼ってきたことは、彼の後を継ぐ人材がいないという構造的な問題も大きな原因の一つであると付け足した。

将来の人材が不足していることは北朝鮮も同じだ。しかし理由は韓国と異なる。北朝鮮のある球技種目の監督は、「最近の子どもたちは体が小さく、将来性のある子どもが見られない」と苦笑した。最近数年間の食料難による発育不振が影響を与えていると思われる。北朝鮮が今回のシドニー五輪で、体操のペ・キルス、レスリングのカン・ヨンギュンなどベテランたちを送ったがメダル無しに終わったことは大変に示唆的である。

最近の子どもは格闘種目や陸上・水泳など、基礎種目にはそんなに関心がない。バトミントンも体力消耗が激しいシングルスはやろうとしない。野球・サッカー・バスケットポールなど人気種目に関心を寄せる。お金にならない、お腹の空く運動には見向きもしないのである。