Go to contents

「マクロ」のダウンと実行にわずか5分、公演予約・ショッピングランキング操作が日常化

「マクロ」のダウンと実行にわずか5分、公演予約・ショッピングランキング操作が日常化

Posted October. 06, 2023 08:49,   

Updated October. 06, 2023 08:49

한국어

マクロの共有、マウスマクロ、キーボードマクロ…。

5日、東亜(トンア)日報取材チームがこのような言葉をポータルサイトで検索すると、マクロプログラム(特定の作業を繰り返し続けることができるソフトウェア)のインストールファイルを共有するブログ数十ヵ所のリンクが現れた。無料でマクロを共有するブログからプログラムをダウンロードして「無限クリック」を実行するために設定するのに5分もかからなかった。

中国杭州アジア大会で1日に行われた韓国-中国サッカー準々決勝戦のポータルサイトの「クリック応援」参加数の3分の2(1988万件)がマクロプログラムで操作されたことが明らかになるなど、一般人もポータルサイトなどを通じてマクロプログラムを簡単に入手できる。

人気公演の前売りから大学の受講申請、ポータルサイトやインターネット・ショッピングモールランキングの操作など、すでに韓国社会では「マクロ操作」が日常化したと指摘されている。

● チケット予約からオンラインマーケティングまで広がったマクロ

マクロプログラムは、オンラインチケット予約など、多くの人が同時に特定のウェブサイトにアクセスしなければならない状況で悪用されることが多かった。素早くマウスをクリックしてチケットを入手しなければならない激しい競争での便法として使われたのだ。

韓中戦の応援操作のように単純にクリック数だけを操作する場合は、無料のマクロプログラムでも十分だ。しかし、座席指定と決済までしなければならないチケット予約用マクロは、サイトのセキュリティレベルに応じて、オンラインで1万~3万ウォン程度で販売されている。

アルバイトで「オンライン代理チケット予約」をしているという大学生のユさん(19)は、「操作防止用のポップアップウィンドウが表示されないようにするマクロなど、カスタマイズされた有料プログラムを10万~12万ウォンで購入し、予約競争が激しいチケットを複数枚購入して転売している」とし、「人気公演の良い席の場合、チケット1枚で50万~100万ウォンまで高値で転売することができる」と話した。

クリック数が収益に直結するオンライン広告やショッピング分野では、マーケティング会社がさらに巧妙な手口を使う。同じインターネットアドレス(IPアドレス)で繰り返しアクセスが行われると疑われるため、仮想私設網(VPN)を活用してマクロを回すのだ。VPNを活用すれば、1台のPCから複数のIPアドレスで接続したように操作できる。また、接続場所も偽装できる。今回の「クリック応援」の場合、オランダと日本で2つのIPアドレスが使用されたことが分かったが、放送通信委員会はVPNを通じて実際の接続国を隠して、応援クリック数を操作したものと疑っている。

最近、業界では「マクロプログラムに対話型人工知能(AI)のチャットGPTを組み合わせれば、人が直接書いたようなコメントを大量に残すこともできる」という話もある。

● 専門家「ポータルサイトのセキュリティシステムを強化しなければ」

最近、マクロ操作が日常化し、「オンライン闇チケット業者」が横行して通常の方法ではチケットを入手することが困難になった。そのため、オンライン闇チケット取引禁止などを規定した公演法改正案が今年2月に国会を通過し、来年3月の施行を控えている。法に違反した場合、1年以下の懲役または1千万ウォン以下の罰金に処せられる。また、インターネット・ショッピングモールなどもセキュリティプログラムを強化しているが、日々手口が高度化するため、マクロ遮断には限界があるのが実情だ。

専門家らは、ポータルなど多くの人が利用するサイトの場合、セキュリティシステムを現在より強化する必要があると口をそろえる。東国(トングク)大学国際情報保護大学院のファン・ソクチン教授は、「マクロ操作行為を摘発する場合、業務妨害罪で処罰することができるが、現実的に検挙して起訴するケースは多くない」とし、「多数が利用するポータルサイトの場合、オンラインハッキング攻撃の検出と対応が可能なレベルでセキュリティを強化する必要がある」と指摘した。


チェ・ウォンヨン記者 チュ・ヒョンウ記者 o0@donga.com