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成長率下落の独・英が税金削減、韓国では消えた減税をめぐる議論

成長率下落の独・英が税金削減、韓国では消えた減税をめぐる議論

Posted August. 31, 2023 08:13,   

Updated August. 31, 2023 08:13


ドイツ政府は、年間70億ユーロ(約10兆6000億ウォン)規模の「減税パッケージ」を打ち出した。マイナスに落ちた成長率を引き上げるため、連立政権参加の各政党が法人税減免に合意したのだ。これに先立って、英国の最大野党「労働党」は、「所得税や譲渡所得税の最高税率を引き上げない」として、成長優先の政策基調を明らかにした。低迷の泥沼に陥った先進国が、経済を立て直すために減税、または増税のほうに政策の方向性を変えている。

ドイツの連立政府が合意した「成長機会法」とは、中小企業を中心に、年間70億ユーロずつ4年間法人税を減免することが柱となっている。今年、ドイツ経済は、先進国の中では唯一逆成長が予想される。最大交易国である中国の低迷による打撃も大きい。このような状況を打開するため、左派性向の社会民主党(SPD)率いる連立政権が、税金を引き下げることにしたのだ。地方税を含めたドイツの法人税の最高税率は29.9%で、欧州諸国の中でも高い方だ。

英労働党は、進歩陣営から提起されている高所得層向けの富裕税の新設に反対する方針を固めた。高所得者に適用する所得税の最高税率45%も、これ以上引き上げないことを約束した。増税を主張してきた労働党が政権を握れば、成長率が0%台前半に落ちた経済がさらに低迷するだろうという懸念を払拭するために方向を転換したのだ。労働党財務通のレイチェル・リーブス議員は、「繁栄の道は、税金で開かれるとは思わない」と述べた。与党保守党のスナック首相は、投資や消費を促進するため、相続税の廃止まで検討している。

企業や個人の税金を減らす先進国の競争が激しくなっているが、韓国では減税の議論が静まっている。政府与党は、膨大な税収不足のため、来年度予算案や税制見直し案に、法人税や相続税見直しなどの攻撃的な減税案を盛り込むことができなかった。最大野党の「共に民主党」は、税収不足の原因は、現政権の「超富裕層減税」のせいだとし、税金をさらに徴収して政府の蔵を埋めるべきだという。

地方税を含めた韓国の法人税の最高税率は26.4%で、経済協力開発機構(OECD)平均の23.1%より高い。中国から脱出するグローバル企業が新しい拠点を探す際、一番大きく考慮するのが法人税率だ。筆頭株主の割増を加えた相続税率は60%で、世界最高水準だ。財政圧迫の中でも、先進国が減税を選択するのは、投資拡大や消費心理回復の近道であり、未来のための投資だからだ。韓国だけが競争で遅れをとっては困る。