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北朝鮮、労働者の海外脱出を阻止しようとアキレス腱を切って送還 米国務省の人権報告書で暴露

北朝鮮、労働者の海外脱出を阻止しようとアキレス腱を切って送還 米国務省の人権報告書で暴露

Posted March. 22, 2023 08:39,   

Updated March. 22, 2023 08:39

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米国務省は20日(現地時間)、「2022年国別人権報告書」で、北朝鮮が中国やロシアなどで働く自国労働者の脱出を防ぐために、足を折ったりアキレス腱を切ったりして本国に送還するなど、広範囲に人権を侵害していると明らかにした。また、韓国ドラマ「イカゲーム」の視聴者が北朝鮮で重刑を受けた事例を紹介し、「韓国文化を反体制と規定し、厳しく処罰している」と指摘した。

●「北朝鮮、海外労働者に忠誠資金要求」

国務省は同日発表した人権報告書で、北朝鮮を「金氏一家が率いる権威主義国家」と規定し、「政権による違法殺人と拷問、超国家的抑圧と違法的なプライバシー侵害など重大な人権問題に関する信頼できる報告がある」と指摘した。国務省は毎年、世界各国の人権状況を評価した報告書を発行している。今年は北朝鮮を含む198ヵ国が含まれた。

報告書は、北朝鮮専門メディアなどを引用し、「ロシア勤務経験がある脱北者によると、すべての労働者は、『送還手続き』が逃亡を試みた人たちの足を折って車椅子に乗せて北朝鮮に送ることを意味することを知っていた」と指摘した。また、「北朝鮮の情報筋は、脱北を試みた北朝鮮労働者チュ・ギョンチョルがロシアに派遣された保衛省(の要員)に逮捕された後、アキレス腱を切られて送還された事実を確認した」と伝えた。

報告書は、「海外の北朝鮮労働者の大半はロシアと中国にいる」とし、「一部の地域では偽造身分証を使って彼らを雇用している」と指摘した。北朝鮮労働者らは1日最長20時間働きながら給料は中国の労働者の半分以下の月27万~90万ウォンで、このうち70~90%は北朝鮮政権に送らなければならないと説明した。また、北朝鮮は新型コロナウイルスの国境閉鎖で貿易が禁止されたにもかかわらず、太陽節(故金日成主席の誕生日)を前に貿易業者に「忠誠資金」を要求し、ラオスに派遣した北朝鮮の医療陣にも忠誠資金を強制していると指摘した。

報告書は、「韓国ブーム(韓流)」に対する処罰強化も紹介した。報告書は、自由アジア放送(RFA)を引用し、「イカゲームを北朝鮮に密輸して販売した男性は銃殺刑、これを購入した高校生は終身刑を宣告された」とし、「放送を見た他の学生6人は重労働5年の刑を受け、この学校の校長と担任教師は解任された」と伝えた。

●「韓国、名誉毀損で表現を検閲」

国務省は韓国の人権報告書の「暴力とハラスメント」の項目で、昨年9月にニューヨーク国連総会に出席した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の「不適切発言問題」を伝えた。報告書は、「MBCが、尹大統領が外国の立法府を批判する映像を公開すると、尹大統領は『主要な外国パートナーとの関係を損ない、国家安全保障を危険にさらす可能性がある』と述べた」とし、大統領専用機の搭乗排除措置などを紹介した。

また、「韓国政府は公開的な議論を制限し、個人とメディアの表現を検閲するために名誉毀損法を使用した」とし、金建希(キム・ゴンヒ)夫人のいわゆる「ジュリー疑惑」を報道したユーチューブチャンネルの家宅捜索と、柳時敏(ユ・シミン)元保健福祉部長官が韓東勲(ハン・ドンフン)法務部長官に対する名誉毀損の疑いで罰金刑を宣告されたことを挙げた。

「大庄洞(テジャンドン)スキャンダル」は昨年に続き今年も「腐敗および政府の透明性欠如」の項目に掲載された。報告書は、「各級の政府の腐敗に関する多くの報道があった」とし、検察が昨年11月、城南(ソンナム)都市開発公社のユ・ドンギュ元企画本部長を皮切りに、最大野党「共に民主党」の大統領候補だった李在明(イ・ジェミョン)代表の選挙資金6億ウォンを受け取った容疑で金湧(キム・ヨン)元民主研究院副院長を起訴したことを取り上げた。


ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 weappon@donga.com