Go to contents

「炎に飛び込んだ故人の犠牲精神を忘れてはならない」

「炎に飛び込んだ故人の犠牲精神を忘れてはならない」

Posted March. 10, 2023 08:16,   

Updated March. 10, 2023 08:16

한국어

「ゴンイル、なぜそこにいるんだ、早く出てこい…」

9日、全羅北道金堤市(チョンラプクト・キムジェシ)の国立青少年農生命センター。消防隊員の故・ソンゴンイル氏(30)の告別式に霊柩車が現れると、ソン氏の母親は息子の名前を何度も呼んだ。告別式に参列した約500人の目には涙が浮かんでいた。一部の同僚は、現実を信じたくないように目をぎゅっと閉じた。

金堤消防署の金山(クムサン)119安全センター所属だったソン氏は6日、金堤市金山面の木造住宅の火災現場で、「おじいちゃんが中にいる」という声を聞いて炎の中に飛び込み、殉職した。全羅北道庁葬で厳粛に執り行われた告別式は、黙祷から始まり、弔辞の朗読、献花、焼香の順で行われた。玉條(オクチョ)勤政勲章と1階級特進も追敍された。

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、韓唱燮(ハン・チャンソプ)行政安全部長官職務代理が代読した弔辞を通じて、「火災現場で取り残された人がいるという声を聞いて迷わず炎の中に飛び込んだ故人の精神を決して忘れない」と述べた。告別式委員長の金寬永(キム・グァンヨン)全羅北道知事は、「二度と消防隊員が犠牲にならないよう再発防止に向けた実効性のある政策を設け、安全事故の予防に全力を尽くす」と強調した。

弔辞を朗読した金山119安全センターの消防隊員のイ・ジョンファン氏は、「消防学校の教育中に訪れた霊光(ヨングァン)・仏甲寺に花をもう一度見に行こうと約束してもうすぐ一年になるが、一緒に行くことができずとても悲しい。守ってあげられず申し訳ない」と涙を見せた。

告別式には、金知事をはじめ、韓代理、ナム・ファヨン消防庁長職務代理、与野党の国会議員らが参列し、ソン氏を見送った。告別式を終え、遺体は全羅北道全州の昇華院で火葬され、同日午後、国立大田顕忠院(テジョン・ヒョンチュンウォン)に埋葬された。


パク・ヨンミン記者 minpress@donga.com