Go to contents

「上級部隊の幹部だ」民間人の嘘に民統線が28分間無防備に

「上級部隊の幹部だ」民間人の嘘に民統線が28分間無防備に

Posted March. 07, 2023 08:17,   

Updated March. 07, 2023 08:17

한국어

最前線に入る入り口の民間人出入統制線が、将校を名乗る20代の男により一時無防備の状態であったことが分かった。前方警戒態勢に再び弱点が現れたという批判が予想される。

6日、軍筋によると、20代の民間人男性のA氏は、車に乗ったまま、先月26日午後、江原道(カンウォンド)のある師団が担当する民統線のB検問所に到着し、「上級部隊の将校」として通過を要求した。A氏は怒鳴りつけながら通らせることを強要したという。検問所を守っていた兵士たちは、A氏を疑ったが、彼が民統線内の部隊の詳細な地名などに言及するなど将校のふりをすると、ひとまず彼を通らせたという。通常、民間人が民統線内に入るためには、管轄軍部隊などに事前に身元を通知し、確認を経て事前出入りの承認を受けなければならない。A氏はこのような過程を経なかった。

A氏が検問所を通った直後、彼の行動を不審に思った兵士たちは、A氏が口にした名前の将校が上級部隊に実際に勤務しているかどうかを確認後、その名前の幹部はいないことを確認した。このため、直ちにA氏の捜索に乗り出し、検問所を通過してから28分後の午後5時半ごろ、検問所に向かって戻ってくるA氏を捕まえた。

軍事警察などの取り調べの結果、A氏は過去、民統線内の部隊で兵士として服務した予備役だった。彼は、「服務していた部隊に行ってみたくてやったことだ」と供述した。A氏の供述と民統線内の動きを盛り込んだ防犯カメラなどを総合して調べた結果、対共容疑点はないことが分かった。

軍は、兵士たちが直ちに異常状況を把握後、後続措置を迅速に取ったという立場だ。しかし、昨年1月1日にも、今回の事件が起きた民統線警戒担当部隊の管轄地域で、軍監視網を突破して民統線内に侵入した脱北者が、最前線警戒部隊(GOP)の鉄柵を越えて再び北朝鮮に帰った事件が発生しただけに、警戒失敗の批判は避けられないものとみられる。軍関係者は、「今後似たようなことが発生しないよう、検問所での検問を強化する」と話した。


孫孝珠 hjson@donga.com