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梨泰院惨事のお粗末な対応が明確なのに、またも「制度のせい」か

梨泰院惨事のお粗末な対応が明確なのに、またも「制度のせい」か

Posted November. 03, 2022 08:15,   

Updated November. 03, 2022 08:15

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梨泰院(イテウォン)ハロウィーン惨事で政府と地方自治体のお粗末な対応に対して批判が大きくなっている。しかし、政府は依然として責任は制度にあるとする態度だ。韓悳洙(ハン・ドクス)首相は1日、外信記者会見で、「主催側や自治体がいない場合、警察が中央統制された方法で群衆を管理することは難しい」と述べた。「警察官や消防隊員を事前に配置して解決できる問題ではなかった」とした李祥敏(イ・サンミン)行政安全部長官の発言と同じ脈絡だ。

災害安全法及び関連マニュアルには、「主催者がいる参加者1千人以上の地域の祭り」は、安全管理計画を立て、警察・消防と協議するよう規定している。韓氏らの発言は、梨泰院ハロウィーンイベントはこれに該当せず、政府の役割が制限されたという趣旨に聞こえる。しかし、主催者がいないイベントも警察と自治体が関与することができる。警察官職務法では、極度の混雑などで国民の安全が脅かされる場合、警告、避難などの措置を取るよう規定している。災害安全法も災害が発生する恐れがあれば、国家と自治体が警報発令、避難指示など緊急措置を取らなければならないと明示している。

それゆえ、警察と自治体が事前に備え、緊急事態が起きた時に積極的に介入しなければならなかった。しかし、警察は事故当日、梨泰院現場で市民が「人が多すぎる」と112に通報した内容のうち8件を危機状況に分類しながら、1件だけに出動した。ソウル警察庁は、「ハロウィーン前、土曜日午後10時以降」に梨泰院に特に人が集まると予想したが、人員を増員しなかった。惨事の3日前には梨泰院の商人らが龍山(ヨンサン)区及び警察との懇談会で圧死事故の懸念を伝えたが、対策は設けられなかった。中央と地方政府いずれも法が定めた最低限の措置も取らなかったのだ。

にもかかわらず、政府と自治体は反省して再発防止を模索するよりも、責任回避に汲々としている。惨事直後、ソウル市は市で主催したイベントではないと線を引き、龍山区は、ハロウィーンイベントは正式の地域の祭ではないため、安全に責任がないという立場だった。政府が、梨泰院惨事関連用語を「惨事」ではなく「事故」に、「被害者」ではなく「死亡者」に統一することにしたのも責任を回避するための意図としか見えない。そうしたからといって責任の重さが軽くはならない。むしろ政府に対する信頼は失われ、犠牲者に対する二次加害を含む惨事の後遺症だけを大きくする結果になるだろう。