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北朝鮮が日本を越えてグアム攻撃を脅威、拡大抑止の稼働を綿密に点検する時だ

北朝鮮が日本を越えてグアム攻撃を脅威、拡大抑止の稼働を綿密に点検する時だ

Posted October. 05, 2022 08:58,   

Updated October. 05, 2022 08:58

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北朝鮮が4日午前、慈江道舞坪里(チャンガド・ムピョンリ)付近から中距離弾道ミサイル1発を発射した。ミサイルは、高度970キロで4500キロ飛翔し、日本列島を越えて太平洋海上に落ちた。沖縄など在日米軍基地はもとより、米戦略兵器の発進基地であるグアムまで攻撃できる距離だ。北朝鮮ミサイルが日本上空を通過したのは2017年9月以来5年ぶり。韓米日3国は一斉に北朝鮮の挑発を強く批判した。日本は、ミサイル警報を発令し、一部地域に避難指示も下した。

10日間で5度目となる今回の中距離ミサイル挑発は、日本と米国まで脅かす武力示威という点で、今や韓半島を越えて本格的な戦略挑発に乗り出すという北朝鮮の脅迫信号である可能性が高い。先の4度の短距離ミサイル挑発とは異なり、今回、北朝鮮は有事に韓半島に展開される米軍増援戦力に対する攻撃能力を誇示した。特にグアムに配備されたB52戦略爆撃機のような戦略兵器は、対北朝鮮拡大抑止のための核心戦力だ。韓国、日本に対する米国の防衛約束を試すことで、同盟間の亀裂を狙っているのだ。

北朝鮮はこれにとどまらず、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射、7度目の核実験の強行で挑発をさらに強める可能性が高い。5年前、韓半島を一触即発の戦争危機に追い込んだ「炎と怒り」の極限対決の局面を再演する試みとみられる。これにより、国際社会の制裁を受けない事実上の核保有国、すなわちインド、パキスタンのような地位を固め、米朝対話を非核化ではなく核軍縮交渉に引き上げるという思惑もうかがえる。

このように緊張を高めていく北朝鮮の挑発に対応することは、5年前よりも難しくなった。当時は、中国も対北朝鮮制裁に賛成し、金正恩(キム・ジョンウン)政権に圧力をかけたが、今は中国とロシアが制裁戦線から離脱している。北朝鮮はむしろ、中ロの庇護の下で意気揚々としている。だからといって敏感に対応する必要はない。さらに実行力を高めた拡大抑止力、すなわち核と通常の先端戦力を動員した圧倒的な対応力を誇示し、北朝鮮が無謀な挑発を断念するようにしなければならない。韓米日安全保障協力を強化し、拡大抑止の稼動態勢を綿密に点検する時だ。