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尹大統領の「大胆な構想」に「愚かさの極致」と応じた北朝鮮

尹大統領の「大胆な構想」に「愚かさの極致」と応じた北朝鮮

Posted August. 20, 2022 08:46,   

Updated August. 20, 2022 08:46

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の妹の金与正(キム・ヨジョン)が19日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の対北朝鮮提案「大胆な構想」を拒否した。尹大統領が15日の光復節式典の演説で提示して4日が経った。金与正氏は談話で、「大胆な構想は、大洋を乾かして桑畑をつくるということであり、現実とかけ離れた愚かさの極致」と暴言を浴びせた。これに対して大統領室は、「大変遺憾」とし、「このような態度は国際社会で孤立を招くだけだ」と述べた。

北朝鮮の拒否は十分に予見されたことだ。過去の韓国政府の提案に常にそうだったので驚くことではない。談話は、尹大統領に対する最低限の品位もなく侮辱的な言葉で満たされた。市井の無頼漢が言うようなことを政権トップの最側近が浴びせたのだ。対話のパートナーだった文在寅(ムン・ジェイン)元大統領に対しても、「『運転者』を自任した疑わしい人が消えてしまい・・・」と蔑んだ。さらに2日前の巡航ミサイル挑発に対する韓国軍の発表が誤っているとし、韓米の対北朝鮮情報力を嘲弄した。

このような態度は、今の対決と緊張の局面を当分の間続けていくという意味だろう。金与正氏は「大胆な構想」について、「我々の『国体』である核を経済協力のようなものと交換するという発想」と述べ、核を放棄しない考えを明確にした。世界的な新冷戦対決構図で、中国とロシアの掩護の下にある北朝鮮としては、韓国側のいかなる破格的な提案にも興味を示すことはない。しかし、そのような機会主義的な振る舞いは、国際情勢の変化に脆弱であり、内部動揺の要因を生まざるを得ない。

政府は揺るぎない姿勢で、北朝鮮の挑発に備えた安全保障態勢を固めなければならない。来週から始まる韓米合同軍事演習「乙支(ウルチ)自由の盾」(UFS・乙支フリーダムシールド)で、北朝鮮に対する防衛態勢を点検し、特に核実験のような大型の挑発には韓米合同戦力の圧倒的誇示で北朝鮮が誤った判断をしないようにしなければならない。また、米国など国際社会との調整の下、「大胆な構想」の具体的な内容を補完しつつ、いつでも北朝鮮が挑発を放棄して対話に出るよう扉を開いて淡々と待たなければならない。