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76年ぶりの学制改編論議、供給者でなく需要者本位で考えるべきだ

76年ぶりの学制改編論議、供給者でなく需要者本位で考えるべきだ

Posted August. 01, 2022 08:55,   

Updated August. 01, 2022 08:55

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政府が、2025年から進学年齢を1年操り上げて5歳から小学校に入学する学制改編を推進すると明らかにした。朴順愛(パク・スンエ)教育副首相兼教育部長官は29日、大統領業務報告でこのような案を報告した。朴氏はその推進理由として、「地域や家庭条件によるスタートラインでの教育格差を早期に国家が責任をとって解消するため」と述べた。ただし、教師と教室の拡充が難しく、入試・就職競争が激しくなる可能性があるという点を考慮して、5歳を毎年一定の比率(25%)で分けて、段階的に進学させる計画という。

これまで少子高齢化による人口構造の変化と産業発達にともなう労働市場の変化に合わせた学制改編に対する社会的要求があった。社会進出が早まれば、結婚と出産の時期も早まり得る。生涯労働時間が長くなり、生産可能人口も増える。このような効果にもかかわらず、1949年の教育法で小学校の入学年齢が満6歳に決まって以降、これまで変わっていない。小中高校だけでなく大学、企業、軍隊など社会全体のタイムテーブルを変えるため、抵抗や費用が大きかったためだ。

このような長年の難題であることを知らないはずがない教育部が、突然学制改編を発表したことは理解ができない。学制改編は、大統領選挙公約にも国政課題にも含まれていなかった。幼稚園と小中高校の教育を担う市道教育庁との事前協議もなかったという。学制改編は、いつ、何を教えるかという教育課程の改編とも直結するが、これには触れず、必要予算の推計もなかった。

予告のない拙速政策は、不必要な対立を招く。満6歳の子どもとの競争を懸念する父兄、下校時間が早い小学校の早期入学で保育の負担が増える共稼ぎの親、発達段階が異なる満5歳児童を教えることになる教師などは、学制改編撤回を求めている。教育団体も、事前の意見の取りまとめや政策研究もなく政策を発表したと反発した。

教育部は今年中に対国民アンケート調査を実施し、学制改編タスクフォースを設置して政策研究に着手する計画だ。すでに大統領に報告した政策だからといって、結論が決まった意見聞き取りや政策研究になってはいけない。生徒一人一人の人生に及ぼす影響が大きいため、効果と逆効果をよく確認して推進し、試行錯誤を減らさなければならない。労働力確保といった単純な論理だけで推進することではない。教育界にも時代に合った学制改編への期待があるため、開かれた心で政策を熟考しなければならない。