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韓国系米国作家の車学慶さん、死去40年で再びスポットライト

韓国系米国作家の車学慶さん、死去40年で再びスポットライト

Posted January. 12, 2022 08:32,   

Updated January. 12, 2022 08:32

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韓国系米国人という少数者のアイデンティティを実験的かつ前衛的な文体で描いた本「ディクテ」などで、後代のアジア系芸術家に大きな影響を与えた車学慶(チャ・ハクギョン)さん(1951~1982)の訃報が、車さんの没後から40年ぶりに米紙ニューヨーク・タイムズに掲載された。同紙は10日(現地時間)、18面の訃報面の「見過ごされた人物」のシリーズで、車さんの生涯と芸術活動にスポットライトを当てた。生前に十分にスポットライトを浴びるべきだったが、そうでなかった人物を紹介するコーナーで、柳寛順(ユ・グァンスン)烈士や慰安婦被害を初めて証言した金学順(キム・ハクスン)さんの訃報も、この紙面を通じて紹介された。

1951年に釜山(プサン)で生まれた車さんは、11歳で米国に移住した。カリフォルニア大学バークレー校で芸術と比較文学を専攻し、フランスで映画理論などを勉強した氏は、著述や映画、写真、行為芸術など、様々な分野で多くの作品を残した。小説「パチンコ」などで有名な韓国系作家イ・ミンジンさん(54)は、韓国系米国人の人生を主体的に語った芸術家は車さんが初めてで、自分もまた大きな影響を受けたと振り返った。

フランス語で口述するという意味を持つ車さんの代表作「ディクテ」は、作家本人はもちろん、柳寛順烈士やジャンヌ・ダルク、中国満州出身で中国や韓国を経て米国に移住した作家の母親などの話を描いている。英語で書かれたが、韓国語とフランス語も翻訳なしに混ざっている。1993年にニューヨーク・ホイットニー美術館は、車さんの回顧展を開いた。ディクテも、1995年と2001年に2度再出版された。

車さんは、ディクテの初出版から2カ月後の1982年11月、ニューヨークのとある建物の管理人によって殺害された。犯人は、南部のフロリダ州に逃走後もまた殺人を犯し、その後逮捕された。1987年に終身刑が言い渡され、現在まで服役している。


金民 kimmin@donga.com