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原油価格80ドル、供給大乱に物価高の津波まで押し寄せるのか

原油価格80ドル、供給大乱に物価高の津波まで押し寄せるのか

Posted October. 13, 2021 08:15,   

Updated October. 13, 2021 08:15

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供給網の危機と原材料価格の高騰が重なり、世界経済が混乱に陥っている。部品がなく工場が止まり、1バレル=80ドルまで値上がりした原油価格が、世界的な景気回復の足を引っ張っている。米国、中国などの巨大経済圏の景気が減速する兆しを見せている。これは輸出で支えてきた韓国経済を直撃しかねない。原油価格による物価上昇まで重なれば、内需萎縮も避けられない状況だ。

11日(現地時間)、米西部テキサス産原油(WTI)の価格は、7年ぶりに1バレル=80ドルを突破した。新型コロナの回復傾向と暖房用需要が重なったためだ。このため、フィンランドのノルディア銀行は、来年の米国成長率の予想値を3.5%から1.5%に下げた。原油価格の高騰のため、物価が上がり、消費が減速せざるを得ないという意味だ。このような流れは、グローバル経済や韓国輸出に悪影響を与えざるを得ない。

供給網の危機も悪化している。原材料や中間材を問わず、ボトルネック現象を起こしている上、物流難まで起きている。消費者が製品を適時に供給してもらえず、物価が急激に上昇している。物価が上がれば、企業は高い値段で売るために生産を増やすのが常識だ。しかし、生産そのものが難しい状況なので、景気低迷の中で物価だけが上がるスタグフレーションの懸念も出ている。

韓国の消費者物価は、9月まで6カ月連続で2%台の上昇率を示し、当初の管理目標だった1.8%を越えた。物価を安定させるためには、金利引き上げなどの緊縮に乗り出さなければならないが、景気回復に水を差しかねない。韓国銀行(韓銀)が昨日、基準金利を据え置いたのも、このような悩みの結果だ。

企業は原材料と部品供給のために、非常体制を稼動している。政府も輸出好調に酔いしれ、安易に対応している場合ではない。供給網に支障がないよう、企業との共同対応に乗り出し、原油価格の上昇による電気料金の影響も綿密に調べなければならない。物価や景気を考慮したきめ細かな金利政策も、容易ではない課題だ。状況を見守るには、グローバル環境があまりにも緊迫している。