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2千人募集に2万人が応募 生活苦の高齢者70代が31%

2千人募集に2万人が応募 生活苦の高齢者70代が31%

Posted March. 08, 2010 09:50,   

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「息子から新聞にこういうものが載っているからと言われて来ました。生計のためには何でもしなければなりません。ところが、連絡はいつごろもらえるでしょうか?どうか助けてください…」

4日午前10時ごろ、ソウル江南区論峴洞(カンナムグ・ノンヒョンドン)の韓国土地住宅公社(LH)・ソウル本部に設けられた老人雇用向けの受付窓口では、白髪の老人一人が、職員の質問に答えながら、求職を訴えていた。面接官が、「ところがおじいさん、体に不自由なところはありませんか?書類には4級障害者となっているが…」と尋ねると、緊張した面持ちのこの老人は、「小さい時に患ったためか関節が少し痛いが、日ごろから一所懸命登山しており、健康にたいした問題はありません。やらせてくだされば、何でもできます」と強調した。彼の後ろには10人あまりの老人が、それぞれA4用紙にびっしりと書いてきた自己紹介書を手に、順番を待っていた。

LHは2日から5日まで、60歳以上の「シルバー社員」の採用に向けた受付を行った。LHは全国の賃貸マンション団地で、団地施設の管理や住居福祉を巡る補助業務を担当する時間制職員を採用している。6ヵ月間、1日=4時間ずつ働き、50万ウォンの給料を受け取るという条件だ。現場で受付業務を担当したLHの職員らは、「老人たちの経済問題が深刻なことは聞いていたが、こんなに大勢の志願者が訪れるとは、予想しなかった」と話した。

集計の結果、全国で2000人を採用するのに、4日間で2万2107人(競争率=約11対1)が願書を出した。

●生活苦が主な求職動機

同日、受付窓口を訪れたビョン某さん(73)は、面接官らに対し、自分の厳しい事情を訴えた。彼は、地方で公務員の仕事をしたし、引退後が、不動産業をやったが、不動産市場の低迷を受け、先日、結局廃業に追い込まれた。客らはより若い不動産屋を好んでおり、客の足が途絶えたこともその一因となった。ビョンさんは、「年を取ってから子供を生み、20代の娘や息子を抱えているが、子供らはまだ就職できずにいる」とし、「結局、うちでは私一人が稼がなければならないが、あちこち仕事を探していても、年寄りなのでそれも容易ではない」とため息をついた。

面接に訪れた老人たちは、お小遣い稼ぎや時間つぶしのための仕事というよりは、即座の生計問題の解決のため、切に働き口を求めるケースが多かった。ソン某さん(71)は、「老人福祉会館で弁当配達の仕事をしたが、この間、ほかの老人より事情がましだという理由から、職を失った」とし、「思ったより競争率が高く、今度も職につくのは難しそうだ」と残念がった。

同日、受付窓口には登山着姿のおじいさんらや面接のためきれいに化粧したおばあさんのほか、90代のお年寄りも目に付いた。ソウル松波区巨餘洞(ソンパグ・コヨドン)に住む李某さん(77)は、「コンピューターの使い方が分からず、昨日、徹夜までしながら志願書を3度も書き直した」としながら、手にした志願書類を見せた。

●70代以上も30%を超える

老人たちの求職熱は大都市であるほど熱かった。LHの書類受付の結果、ソウルの競争倍率は16.7倍と最も激しく、大邱(テグ)と慶尚北道(キョンサンブクド=11.9対1)、釜山(プサン)と蔚山(ウルサン=11.5倍)などの都市地域の競争倍率も高かった。特に低所得老人の多いソウル冠岳(クァンアック)や銅雀区(トンジャック)は、15人の募集に770人が詰め掛け、51対1まで高騰した。申請者の年代も70代以上が31%と、求職現場では年齢の大小はたいした意味のないことを示した。

最近、政府統計などによると、韓国の老人自殺率は、経済協力開発機構(OECD)加盟国のうちトップとなっており、自殺原因は経済的困難が33.9%も占めている。専門家らは、雇用を通じて貧困問題だけ解決しても、多くの老人の自殺を予防できると指摘している。



constant25@donga.com jarrett@donga.com