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米国産牛肉をめぐる韓米間の対立、エスカレートの様相

米国産牛肉をめぐる韓米間の対立、エスカレートの様相

Posted December. 05, 2006 07:07,   

한국어

「じゃ、これが米国産の牛肉で作ったステーキです」

3日(現地時間)、米国北西部のモンタナ州ビックスカイ市。韓米自由貿易協定(FTA)の5回目の交渉を1日後に控えて、マックス・ボーカス上院議員が李泰植(イ・テシク)駐米大使、スーザン・シュワブ米通商代表部(USTR)代表らを食堂に招待した。マックス議員は、ステーキを切って口の中に入れながら、「米国産牛肉は骨があろうがなかろうが安全だ」と強調して、韓国語で「おいしいです」を5回も繰り返した。

そのようなイベントは、しばらく後の演説で「韓米FTAが円満に妥結するには、韓国は米国産牛肉の輸入障壁を取り除かなければならない」という警告につながった。

米国産牛肉の返品をめぐる韓米両国の葛藤がエスカレートしている。米国は「交易史上、前例のないこと」と主張しているが、韓国は「合意どおりに履行しただけ」と対立している。

▲高まる米国の反発〓マイク・ジョハンズ米農務長官は、「牛肉の問題は、韓米間のFTAの議題ではないが、間違いなく議員らが私に、そしてシュワブ代表に働きかけてくるだろう」と述べた。

ペット・ロバーツ上院議員は、李大使に送った抗議の書簡で、「韓国が米国と結んだいかなるほかの貿易や外交政策にも私は深刻な疑問を持つようになるだろう」と圧迫した。

米国のある民間専門家は、「絶えず牛肉を機械のカッターで切断して、加工する作業の過程で、骨のかけらが一つも付かないようにするのは、技術的に不可能だ」とし、「骨の粉が出たら、どうするか知りたい」と皮肉った。

▲どちらが酷いか〓米国の通商関連消息筋は、「『骨のない赤身』という表現に合意した時、米国はあばら骨のような大きい骨を示す概念と受け止めた」と述べた。しかも、サンプル検査が通例の交易で類を見ないX線の全数検査になったのは理解できないことだという。

しかし、農林部のベ・ジョンハ国際農業局長は、「双方の合意に従っただけ」と強調した。匿名を要求したある幹部も、「国内の国民感情を考えると、徹底した検査が避けられない」とし、「もし大まかなサンプル検査のみをして流通させたが、牛肉の輸入の再開に不満を持った人が、骨を入れた後、『米国は約束を破り、韓国政府は国民の安全をないがしろにした』と主張したら、そのような事態をどうやって収拾できるのか」と苦情を打ち明けた。

台湾は韓国と同じく赤身だけを輸入しており、返品騒ぎもあったが、発見された骨が米国側も異議を唱えられないほどの大きさだったと、ある関係者は伝えた。カナダは米国産の生牛自体を輸入しており、日本は骨ごと輸入している。

▲「一日でも早く細部衛生基準を」〓両国は今年1月13日、「骨のない赤身」という基準に合意しておいて、これまで細部規制を定めていないことが分かった。法ばかり作っておいて、施行規則を準備していないわけだ。

ワシントンのある通商専門家は、「3億人の米国人と200万の韓国僑民、年間70万人の韓国人の訪問者は、米国産牛肉を何のトラブルなく消費しているではないか」とし、「一日でも早く合理的な細部基準を定めなければならない」と述べた。

韓国政府の関係者も、「今度は検査対象が9キロだったが、過去のように年間20万トンを輸入すると仮定すれば、それを再び検査するには公務員が総出で取り掛かっても無理だろう」と述べた。

しかし、米国側が牛肉の問題を韓米FTAと関連付けるのは、両国がFTA交渉を始めた精神にも合わず、かえって両国内のFTA反対論者を刺激しかねない危険な態度だという指摘も強く出ている。



sechepa@donga.com smhong@donga.com