Go to contents

[オピニオン]デジタルテレビ

Posted July. 09, 2004 22:29,   

白黒で始まった韓国テレビが、カラー時代を経て、デジタルテレビ(DTV)時代に入ることとなった。視聴者は今月中に、現在のアナログテレビより5〜6倍も鮮明な画質とCD級音響を提供してもらえるようになる。画面の横縦の割合も、従来の4:3から、映画と同じく16:9になる。首都圏と5大広域市では来月開かれるアテネ五輪を高画質(HD)放送で視聴できる。韓国選手らの善戦場面はもちろん、汗と涙、荒い息の音まで見聞きすることができるとは、思っただけでも胸がわくわくする。

◆アナログテレビとは違って、DTVは双方向情報データ放送が可能だ。ドラマやショーを見ている途中、俳優や歌手の履歴情報、小道具などに関する情報が検索でき、電子商取引や情報検索も可能だ。言わば、パソコンがテレビの中に入ったわけだ。しかし、遠目で見た時は絶世の美人だったのに、近くで見たら失望せざるを得ない容貌である場合がたびたびあるように、顔の美容手術の跡やニキビの一つまで鮮明に映される高画質画面のため、思わぬ被害者が出ることもあるだろう。

◆世界のデジタル産業は現在、標準化戦争中だ。いくら技術が優れていても標準化として採択できなければ死蔵されるしかない。日本は1980年代までは、HDTV技術で米国に勝っていたが、これを世界的なデジタル方式に標準化することに失敗したため落伍してしまった。家電製品市場で日本に、自国だけでなく世界市場でまで惨敗してしまった米国が、デジタル技術を通じた世界市場掌握を目標に、業界と学界が総力戦に乗り出して、意図的に日本を「のけ者」にしたという分析もある。米国は言語に続いて技術標準でも世界を掌握しているのだ。

◆世界のDTV市場規模は05年220億ドル、06年330億ドル、07年500億ドルと推算される。韓国は世界DTV関連特許技術1万632件のうち、33%である3462件を保有している最多技術強国だ。そのような点から、この4年間、政府と放送社の対立で送信方式を決められず歳月を無駄遣いしてきたのは大きな損失だった。新しい技術の採択には必ず利害当事者らの合意を経なければならないという教訓を得た対価としては、あまりにも高すぎる授業料を払った。

呉明哲(オ・ミョンチョル)論説委員 oscar@donga.com