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[社説]真実を究明することが「色分け論」なのか

[社説]真実を究明することが「色分け論」なのか

Posted October. 03, 2003 23:17,   

野党ハンナラ党の鄭亨根(チョン・ヒョングン)議員が、ラジオのインタビューで、「北朝鮮の核心勢力が政府内にいると確信する」と述べ、「政府が宋斗律(ソン・ドゥユル)氏を偽装潜入させようとした」と主張した。元国家情報院(国情院)次長の鄭議員は、公共放送でこのような重大問題を提起する時、単純な考えだけで話してはいけない。明らかな根拠を出すことができなければ、不安を煽る「マッカーシズム的発言」という非難を受けるしかない。

しかし政府は、鄭議員の発言を「旧時代的な色分け論」とする前に、なぜこのような話しが飛び出したのかを問わなければならない。宋氏が「海外民主闘士」と装われ、帰国が決定するまでの過程では、疑わしい点が一つや二つではない。宋氏に免罪符を与え、国内で大学生や市民に対して「内在的アプローチ」を講義するようにしたコネクションの跡があちこちで発見される。

国情院で捜査が進行中の被疑者に対するKBSの美化番組は、捜査と司法処理に影響を及ぼそうとする意図としか解釈できない。宋氏の大学同窓で親友でもある国情院国内担当次長が、宋氏の入国直前にベルリンを訪れたことも釈然としない。法務部長官の不処罰をほのめかす発言や国情院の送検意見の変更などをみても、政府が宋氏の入国と何の関係もないとは言い難くなった。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が記者懇話会で、「思ったよりも不利な事実がたくさん出た」と言った言葉の中にも、複雑な意味が込められているようだ。対北朝鮮和解政策を推進した金大中(キム・デジュン)政権でも入国を拒んだ人物に対して、安易でいい加減に対処したのなら、それこそが現政権の抱える問題だ。

宋氏の親北朝鮮行為の真相とともに、宋氏との関連が取り沙汰される背後関係を明らかにしようという意見を、単なる「色分け論」として罵倒してはいけない。今の段階で最も重要なことは、真実の究明である。検察は、原点から再び始める姿勢で、宋氏に関するすべての事項を徹底的に捜査しなければならない。