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地下水の11%に放射線物質、大量検出

Posted January. 27, 2003 22:33,   

全国10カ所の地下水のうち、1カ所以上で米国の基準値を上回る放射性物質が検出された。

国立環境研究院は去年、全国180カ所の地下水に対し、ラドン、ウラン、全アルファ、ラジウムという四つの放射性物質の含有実態を調べた結果、京畿道(キョンギド)利川(イチョン)市チョンサウムドン一帯で、米国基準(30ppb・1ppbは10億分の1g)の10倍を超える322ppbのウランが検出されるなど、20カ所(3カ所は重複検出)でラジウムを除いた放射性物質が検出されたと27日に発表した。

この中で、米国の基準値を超えるウランは4カ所で検出され、ラドン(米国基準4000pCi/LpCiはキュリクルと呼ばれ、ラドンの測定単位)は18カ所、全アルファは1カ所で検出された。

これに対し、環境部は該当地下水のうち、現在飲用水として使用されている所に対しては、飲用禁止か、あるいは適正な処理を経た後、使用するように措置すると述べた。

しかし、これらの放射性物質の平均検出濃度で人体への危害度を調査した結果、ウランの化学的危害度は米国環境保護庁(EPA)が許容している危害度の800分の1で、ウラン・ラドン・全アルファの発ガン危害度は、国際放射性物質保護委員会が規定した許容値、2分の1〜1万分の1にあたるなど安全なことが明らかになったと、環境研究院側は説明した。

危害度は人間の寿命を70年として、体重61kgの人が30年間放射性物質に露出された時、被害を受ける程度を計算したものである。

同調査は、大田(テジョン)地域の地下水からウランが検出されたという発表が98年、大田の基礎科学研究所によって行われて以来、国家レベルで事実を明らかにするために、99年から岩石層別に実施した4カ年調査事業の一環として行われた。去年ですべての調査が終了することによって、国内の全地下水に対する放射性物質分布図が完成された。

環境部は今回の調査結果に基づいて、国内のウランの水質基準を米国並みに設けて、管理することにし、米国で暫定基準が適用されるラドンに対しても、先進国の場合を参考にし、国内の基準値を設けることにした。

▲ウラン〓原子核が崩壊して、アルファ線やガンマ線などを出す元素で、地表水より地下水に多く含まれている。人体に蓄積され、腎臓の機能を破壊する。

▲ラドン〓自然界に広く存在する放射性物質で、ウランの崩壊過程で出る。ほとんどの場合、水中のラドンが空気中に放出され、呼吸器あるいは、消化器官を通じて吸収される。肺ガン、胃ガンなどを誘発する代表的な発ガン物質である。

▲全アルファ〓ウラン、ラジウム、ラドン、プルトニウムなどすべての放射性核種(不安定な元素の原子核が自ら崩壊し、内部から放射線を出す原子核)から放出されるアルファ線のことをいう。全アルファは放射性物質がどれほどであるかを示してくれる物差しであり、そのものが人体に害を及ぼすことはない。



shchung@donga.com