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金東聖、金さらわれる、韓国に不利な審判

金東聖、金さらわれる、韓国に不利な審判

Posted February. 22, 2002 09:33,   

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21日、ショートトラック男子1500メートル決勝戦で金東聖(キムドンソン、高麗大)が失格となった理由として、審判はあっけもなく「クロストラック(cross track)」を挙げている。クロストラックは相手の追い越しを阻むために故意にトラックを横切る一種の走路妨害。

状況を思い出してみよう。最後の半周を残して金とオーノ(米国)がそろって1、2位で滑っていた。この時、オーノが直線走路で内側から抜こうとして勝負に出た。これを見抜いた金は、曲線走路の入り口で内側を狙っているオーノをけん制し、これに対してオーノは「金が自分を故意にふさいだ」ということを審判にアピールするかのように、大げさに両手をさっと持ち上げた。結局、オーノは曲線走路でも金に追い付くことができず、金はトップでゴールした。

審判が「イムペディング(impending、妨害)」として失格判定を出すいくつかのケースがある。相手選手を体や腕で押し倒すのが代表例。また、後ろの走者が追い越そうとするときに前の選手はレースで優先的な権利を持ち、この際、後ろの走者は前の選手の体に触ってはいけない。

しかし、こういう規定は審判がその気になればいくらでも変わり得るものであり、結局韓国選手たちは今回の五輪で審判にすっかり翻ろうされ、犠牲になってしまったといえる。

それ以前に、今大会の男子5000メートル継走でも、韓国のミン・リョンは後ろから前に進もうとしたところで前を走っていた米国のラスティ・スミスの腕に引っかかり、転倒して失格となった。この時は前の選手がレースで優先的な権利を持つという点が適用された。すなわち、ミンが無理に内側に入り込んだため、前のスミスが自分の走路を守ったことは妥当だと判定したのだ。

しかし、この規定は21日の1500メートル決勝戦でむしろ逆に適用された。前の金は後ろのオーノが無理に抜こうとしたとき、手で打ったり、体が触れることもなかった。自分の走路を守るために後ろの走者をけん制することは、ショートトラックの当たり前の戦略として考えられている。

しかし、審判は金の走路妨害という実にばかばかしい判定を出した。男子1000メートル準決勝でリジャジュン(中国)の反則プレーで転倒した「非運の選手」金は、今度はオーノの「ジェスチャー」と徹底的にアメリカ側に立っている審判の判定のため、目の前で金メダルを盗まれたのだ。

太極旗(韓国国旗)を持って歓声を上げていた金はいきなり判定が変わると、リンクの上でぼうっとしていて悔しがっている様子だった。ショックを受けた彼は「くやしい」と一言を残したまま、インタビューにも応ぜずに宿舎へ帰ってしまった。



金相洙 ssoo@donga.com