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「水玉アーティスト」草間ロボットがニューヨークに出現した訳は?

「水玉アーティスト」草間ロボットがニューヨークに出現した訳は?

Posted January. 19, 2023 08:38,   

Updated January. 19, 2023 08:38

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真っ赤なカボチャをかぶった日本人アーティストの草間彌生氏(93)が、米ニューヨークのルイ・ヴィトン店のショーウィンドウに登場した。筆を持った草間氏は瞬きし、ガラス窓に水玉模様を描く。前に立っている人を見て、微笑むこともある。本物の草間氏ではなくロボットだ。

ルイ・ヴィトンは6日、2012年以来11年ぶりに草間氏とコラボし、ハンドバッグ、衣類、アクセサリーなど草間氏の作品を模した商品450点を含む新たなコレクションを公開した。このコレクションを広報するために、世界のルイ・ヴィトンの店舗に独特の姿の「草間ロボット」が現れ、ソーシャルメディアを盛り上げている。

フランスのパリには、建物の屋上に張りついて壁面に水玉模様を描く巨大な草間人形が登場した。東京原宿店にも1階と2階を貫く草間氏の彫刻が設置されている。ロボットと彫刻は、赤い髪にサングラスをかけた草間氏をリアルに表現し、人気を集めている。

普通、芸術といえば理解が難しい壁が感じられる領域とされる。むろん、ピカソやゴッホのような芸術家の作品は、時間の経過とともに大衆に愛されるが、作品だけでなく、草間氏のように生きているアーティスト自身のキャラクターが利用されるのは一般的でない。

その背景には、草間氏の作品が持つソーシャルメディアとの親近性が大いに作用したとみられている。四方に鏡を設置した代表作「インフィニティ・ミラールーム」は、インスタグラムの「認証ショット」の名所としても有名で、世界の主要美術館を巡回して展示され、チケットは前売り開始と同時にほぼ完売する。

「#草間彌生」を付けたインスタグラムの掲示物はなんと約100万件(英語基準)にのぼる。これは、オークションで最高価格を記録する生存するアーティスト、ジェフ・クーンズ(44万件)、デイヴィッド・ホックニー(32万件)、ゲルハルト・リヒター(18万件)よりもはるかに多い。インスタグラムの露出度が作品性を意味するわけではないが、それだけ大衆性があることを物語る。

大邱(テグ)美術館のチェ・ウンジュ館長は、「最近、美術館を訪れる観客は作品を単に見るだけでなく、直接経験し、一体化することを望む傾向がある」とし、「特別な空間に入り、主人公になったような気分にさせる『インフィニティ・ミラールーム』などの草間氏の作品はこのような観客の欲求に合致している」と語った。


金民 kimmin@donga.com