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二人のデンマーク人

Posted June. 06, 2023 08:49,   

Updated June. 06, 2023 08:49

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チューリップの国デンマークは戦争とは縁遠い国と思われるがちだが、長い間軍事大国だった。現代戦争史でも欠かせない二人のデンマーク将校がいる。 陸士首席卒業生だったヘルムート・フォン・モルトケはドイツ軍に入隊して参謀本部を創設し、近代軍事組織と戦術の父となった。マス・ヨハン・ブク・リネマンはモルトケほど有名ではないが、戦争史で実に貴重な業績を残した。19世紀に銃と大砲に鋼線が導入され、火力が飛躍的に強化された。それは野戦の兵士たちにとっては集団死を意味した。この時から戦場は人類が、それまでに見たことのない殺戮の場となった。

銃と大砲が死神として君臨すると、兵士たちは地中に隠れる方法を見つけた。砲火が炸裂すると、うつ伏せになった兵士たちは手とスプーンまで動員して地面の中に向かって突き進んだ。嘘のようだが、5センチでも突っ込む兵士は少しでも殺害率が低かった。塹壕は古代の戦争から存在したが、個人壕が全兵士の防弾服となった。デンマーク中尉だったリネマンは1867年、すべての兵士が簡単に携帯できる野戦用スコップを開発して世の中に出した。1870年にデンマーク陸軍は野戦用スコップを必須装備として導入した。欧州各国が後を追った。

軍隊で兵士たちの真の友は野戦用スコップだ。軍にいる間、銃より野戦用スコップを手に持っている時間が長かったというジョークもあるが、現代の野戦用スコップの始祖がリネマンの野戦用スコップだったのだ。塹壕の威力は思ったよりすごかった。兵士たちが野戦用スコップで掘った塹壕は、歩兵の突撃が始まる前に加えられる重砲の砲撃を無力化させた。米国の南北戦争をはじめ、19世紀末から行われたすべての戦争で塹壕は物凄い戦術的兵器となった。ウクライナ戦争で最も衝撃的な場面は塹壕の中の兵士を手榴げ弾で攻撃するドローンだ。もはや兵士たちに逃げ隠れる場所などなさそうだ。200年間兵士を守ってきた塹壕が危機に瀕している。それにもかかわらず塹壕は大活躍中だし、依然として有効だが、ドローンの恐ろしい開発速度を考えれば、今は新しいリネマンの装備が必要かもしれない。それは何だろうか?