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犯罪用口座、1日876口座開設 市民生活を脅かす「黒い資金の血管」を断て

犯罪用口座、1日876口座開設 市民生活を脅かす「黒い資金の血管」を断て

Posted June. 23, 2026 08:13,   

Updated June. 23, 2026 08:13


妻の入院費の工面に追われていた80代の男性は、高収益を保証するとうたう偽の投資サイトにだまされ、指定された口座に4500万ウォンを送金した。それは、男性にとって最後に残されたチョンセ(伝貰)保証金だった。しかし、その送金先の口座は、ペーパーカンパニーが開設し、犯罪組織が利用していた犯罪用口座だった。このペーパーカンパニー名義の犯罪用口座30口座だけでも、被害者は少なくとも189人、被害総額は39億ウォンに達する。

東亜(トンア)日報ヒーローコンテンツチームが、過去5年間に金融監督院へ登録されたボイスフィッシング関連口座12万6866件を分析し、犯罪用口座の被害者ら58人に取材した企画「HIDDEN:黒い資金の血管、犯罪用口座」は、日を追うごとに組織化・大規模化する犯罪用口座の製造・流通の実態を生々しく描き出している。新たに開設される犯罪用口座は年間32万口座に上ると推定される。単純計算で1日平均876口座に達する。かつてはホームレスや不法滞在者の身分証を買い集めて口座を開設していたが、近年ではペーパーカンパニーを設立し、犯罪用口座を専門に供給する組織が登場したことで、その供給量は爆発的に増加した。

ペーパーカンパニー名義の犯罪用口座は、個人名義の口座と異なり、事実上送金限度額の制限がなく、数十億ウォン規模の犯罪収益を一度に引き出すことができる。また、法人口座を基にバーチャル口座(仮想口座)を発行することも可能で、被害者による通報よりも先に新たな口座を開設できる。ボイスフィッシングやオンライン賭博が横行する背景には、犯罪収益を安全に流通させるための犯罪インフラとして、こうした犯罪用口座の存在がある。

ペーパーカンパニーの設立は容易だ。月額1万ウォンで住所を借りてバーチャルオフィスを構え、実際の事務所や在庫がなくても開業しやすいネット通販を主な事業として届け出ることで、銀行の審査を通過できる。取材チームが今年、金融監督院に新たに登録されたボイスフィッシング関連口座1万7000件を分析したところ、摘発件数が最も多かった上位5社の代表者名はいずれも同一だった。1人の人物が社名や所在地の異なる複数のペーパーカンパニーを運営し、犯罪用口座を量産していたのである。

犯罪用口座に対する監視の目は依然として十分とは言えない。取材チームは、ペーパーカンパニーが国税庁から廃業処分を受けた後も、その法人名義の犯罪用口座が金融システム上で遮断されることなく、被害者の資金を奪い続けていた事例を確認した。国税庁は「法人口座の開設や解約は金融委員会の所管だ」と説明し、金融委員会は「口座名義人による自主的な届け出がなければ、口座を閉鎖するのは難しい」と説明した。また、管理・監督の緩い第2金融圏が犯罪用口座を容易に開設し、犯罪組織の「宿主」としての役割を果たしている実態も明らかになった。職員が10人あまりのあるセマウル金庫では、3年8カ月の間に発行された犯罪用口座が126口座に上った。

犯罪用通帳の被害者は、老後資金900万ウォンを失った68歳の介護福祉士、娘の結婚資金1500万ウォンをだまし取られた59歳の主婦、賭博サイトを利用した高校生など、金融弱者が大半だ。庶民を泣かせる犯罪に対し、政府は所管争いなどしている場合ではない。自分のこととして飛び込み、黒い金の血管である犯罪用通帳を断たなければならない。そうしてこそ投資詐欺もボイスフィッシングも根絶できるだろう。