
韓国国防部は22日、北朝鮮が軍事境界線(MDL)からわずか約80メートル離れた地域に鉄柵などの構造物を設置していることについて、「北朝鮮軍によるMDL一帯での障害物設置は明白な休戦協定違反だ」と明らかにした。一方、休戦協定を管理する在韓国連軍司令部は「非武装地帯(DMZ)内での建設行為や陣地構築だけで、自動的に休戦協定違反に該当するわけではない」とし、韓国軍当局との見解の違いを示した。
国防部のチョン・ビンナ報道官は同日、2024年からDMZ内で地雷埋設や鉄柵を含む各種構造物の設置など「不毛地化」作業を続けてきた北朝鮮が、最近になって鉄柵をMDL付近まで設置したことについて、「明白な休戦協定違反だ」との認識を示した。休戦協定上、DMZは敵対行為の再発を防ぐ緩衝地帯の役割を果たすが、こうしたDMZに地雷を埋設することなどは緩衝地帯をなくそうとする意図であり、協定違反に当たるという説明だ。昨年6月に李在明(イ・ジェミョン)政権が発足して以降、国防部が北朝鮮によるDMZ内の不毛地化作業について、休戦協定違反だと明確な立場を示したのは今回が初めて。国防部がこのような立場を明らかにしたことを巡っては、政府が相次いで対話を呼びかけたにもかかわらず、北朝鮮がこれを無視し、むしろ韓国に対する脅威を強めていることから、北朝鮮との距離を置き始めたとの分析が出ている。
これに対し国連軍司令部は同日、「DMZ内で行われる活動は、その全体的な文脈の中で理解されなければならない」とし、「建設行為、陣地構築、防御措置または人員の存在だけで、自動的に休戦協定違反に該当するわけではない」と慎重な立場を示した。韓国軍の鉄柵もMDLから100メートル離れた位置まで設置されているなど、北朝鮮軍が最近設置した鉄柵の位置と大きく変わらない点を考慮したのではないかとの見方が出ている。また、北朝鮮が設置した鉄柵が攻撃用ではなく防御目的であることや、北朝鮮がDMZ内で不毛地化作業などを進める際、国連軍司令部に何度も事前通報していた点なども考慮して、このような立場を示したとの分析もある。
国連軍司令部と韓国政府の見解が食い違ったことについて、DMZへの立ち入り統制や承認権限を巡る対立が尾を引いているのではないかとの見方もある。
孫孝珠 hjson@donga.com






