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捜索・差押えの規制をめぐり裁判所と検察が衝突、過度な基本権侵害は阻止すべきだ

捜索・差押えの規制をめぐり裁判所と検察が衝突、過度な基本権侵害は阻止すべきだ

Posted June. 05, 2023 08:22,   

Updated June. 05, 2023 08:22

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捜索・差し押さえ令状に対する裁判所の規制を強化する内容の刑事訴訟規則改正案をめぐり、裁判所と検察が激しく対立している。最高裁判所が2月に立法予告した改正案の核心は、令状の発布前に対面審理をできるようにし、パソコンや携帯電話については検索語と検索対象期間を記入して令状を請求しなければならないというものだ。これと関連して2日に開かれた学術大会で、裁判所側は「電子情報の捜索・差押えによる市民のプライバシー侵害が深刻だ」と主張した。一方、検察側は、捜査機密の流出、捜査遅延の懸念を理由に改正案に反対する意見を明確にした。

捜索・差押えは物証確保に決定的だが、市民の基本権を制約する捜査方式だ。必要最小限の範囲内で実施されなければならないが、捜索・差押え令状の請求件数は2011年に比べて昨年3.6倍も増えた。法曹界の内外で捜索・差押えの乱発に対する懸念が高まる理由だ。これを統制できる唯一の機関が裁判所だが、昨年の捜索・差押え令状の発付率は9割を超える。これでは別件捜査のための「差し込み」式の令状もろ過できないため、審査方式の改善が必要だ。

特に携帯電話が主な捜索・差押えの対象となっていることへの市民の不安は大きい。携帯電話には本人の個人情報はもとよりSNSで他人とやりとりした会話内容やメールなど多くの情報が入っている。このような携帯電話を捜査機関が丸ごと持っていくのは「際限なく家を捜索することと同様」という指摘もある。一方、検察は様々な隠語が使われるオンラインの性犯罪、麻薬犯罪などを捜査し、いちいち検索語を指定する方法で捜索・差押えをすることは不可能だと主張する。オンラインでヒロポンを意味する「アイス」の場合、「Iス、アイs」など無限に変形が可能だということだ。

捜査で密行性と迅速性は必要だが、市民の基本権も保護されなければならない。2つの価値を調和させる方法を見つけることが重要だ。裁判所は、捜査機密が漏れないよう対面審理の対象を検察・警察官など捜査担当者に限定し、事案の特性に応じて検索語は幅広く認める方針だ。「大麻」関連の令状には検索語を「大麻に関連する用語」程度に記載してもよいということだ。裁判所が刑事訴訟規則改正案を修正し、このような部分を明記する必要がある。

検察も裁判所と力比べをするかのように無条件に反対するのではなく、代替案を提示しなければならない。1997年の拘束令状実質審査制度の導入の時も、検察は捜査状況の流出を理由に反対したが、今では被疑者保護の装置として定着している。不必要な捜索・差押えの乱発を根絶し、捜査の実効性を高める策を講じなければならない。