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韓国初の民間発射体「ハンビット-TLV」の打ち上げに成功

韓国初の民間発射体「ハンビット-TLV」の打ち上げに成功

Posted March. 22, 2023 08:38,   

Updated March. 22, 2023 08:38

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「韓国初の民間宇宙発射体」を宇宙に打ち上げるための第一歩が始まった。国内宇宙発射体のスターアップ「イノスペース」が独自に開発した試験発射体「ハンビット-TLV」の打ち上げを成功裏に終え、来年の宇宙軌道の安着を目標とする実際の発射体の開発にも拍車がかかるものと見られる。

イノスペースは21日、19日午後2時52分(現地時間)、ブラジル空軍傘下のアルカンタラ宇宙センターで行われたハンビット-TLVの打ち上げが成功裏に終わったと発表した。同社は、来年の打ち上げを目標に、小型搭載体を積んだ商業用2段発射体「ハンビッナノ」を開発している。今回の打ち上げは、同発射体の1段に当たる15トン級の推力発射体の性能試験のために行われた。

イノスペースは同日、オンラインでの記者懇談会を通じて、試験発射体が点火後106秒間安定的に燃焼後、4分33秒間正常飛行後、ブラジル海上に正常落下したと説明した。当初目標としていたエンジンの燃焼時間である118秒より12秒少なく燃焼したが、データ分析の結果、エンジンが正常に作動し、推力安定性を維持したと明らかにした。

イノスペースのキム・スジョン代表は、「ブラジルの高温で酸化剤の蒸発量が多くなり、全体作動時間が予想より減った」とし、「今回の試験打ち上げの成功で、ハンビットナノ発射体に使われる1段エンジンの開発が完了した」と試験打ち上げ成功の意味を明らかにした。

同社が開発している宇宙発射体「ハンビッナノ」は、地球上空500キロに50キロ程度の搭載体を打ち上げることを目標としている。地球の低軌道600〜700キロに1.5トン級の搭載体を運ぶことができるヌリ号や、22トン以上の搭載体を輸送できるスペースXの「ファルコン9」の発射体とは規模が違う。

イノスペースは、500キロ未満の小型衛星市場を攻略する方針だ。150キロを積めるハンビットマイクロ、500キロ級を積める「ハンビットミニ」まで発射体のラインナップを設けた。キム代表は、「現在、主要目標の搭載体は、10キロ程度のキューブ衛星だ」とし、「今回の試験打ち上げの成功で、協議の過程が実質的な契約過程に進展するものと見られる」と話した。

試験発射体の成功で、1段エンジンの能力は検証されたが、来年の実際発射体の発射まではまだ越えなければならない山が多い。ヌリ号の場合も、2018年に75トン級のエンジン性能を検証する試験発射体の成功から、実際の発射体の成功まで4年ほどがかかった。発射体の2段に当たる推力3トン級の上段エンジンと、ペアリングおよび段分離技術の開発も残っている状況だ。

全北(チョンブク)大学航空宇宙工学科のシン・ウィソプ教授は、「実際、小型衛星などの搭載体を宇宙軌道に乗せてこそ、発射体が商用的に成功したと判断できる。現在(最終的に成功するかどうかを判断するのは)時期尚早だ」と説明した。

通常、地球上空の100キロが宇宙の境界とされるが、同日、会社は試験発射体の投入高度を公開しなかった。キム代表は、「今回の打ち上げは、軌道進入ではなく高高度飛行試験を目標にした」と説明した。

一方、李宗昊(イ・ジョンホ)科学技術情報通信部長官は、キム代表に送る祝賀メッセージを通じて、「民間企業初の試験発射体の成功を祝う」とし、「民間発射サービスの商用化支援に拍車をかける」と伝えた。


チョン・ナムヒョク記者 forward@donga.com