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ソプラノ・曺秀美氏「これからは苦しむ人々のために歌いたい」

ソプラノ・曺秀美氏「これからは苦しむ人々のために歌いたい」

Posted December. 01, 2022 08:47,   

Updated December. 01, 2022 08:47

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「世の中には、音楽を通じて心の安定と喜びを得る人々より、色々な理由で日々苦痛の中で生きていく人々がより多いという事実を知りました。これまでは歌を上手に歌うことに集中してきたなら、これからは社会的弱者と同行する人生を歩みたいと思います」

世界的なソプラノ歌手の曺秀美(チョ・スミ)氏(60)が、疎外された人々のために無料公演を行う。ソウル鍾路区(チョンノグ)の世宗(セジョン)文化会館の大劇場で4日開かれる「千ウォンの幸せ」15周年特別コンサートに、出演料無しで舞台に立つ。曺氏は最近、東亜(トンア)日報との書面でのインタビューで、「誰よりも歌が上手になりたいという一つの目標に向け、36年間邁進してきたし、観客と共感し幸せを伝えるために努めてきたが、それだけでは足りないということに気づいた」とし、「これからは、小さなことでも私にできることを始めようと思う」と話した。

今回の公演には、自立を準備する青年や保育園の児童、障害者、脱北者、ホームレスなど3000人余りが招待された。公演名は「千ウォンの幸せ」だが、招待された人たちは無料で観覧できる。曺秀美は、プライムフィルハーモニーオーケストラとともにテノールのチャン・ジュフン、クロスオーバーテノールのクリス・ヤング、奚琴奏者のナリなどと一緒に舞台に立つ。曺秀美は、韓国歌曲「出迎え」「初恋」「花咲く日」「揺れて咲く花」を歌う予定だ。

「最近は、韓国の歌が世界中で歌われ、韓国の歌手がトップに立っています。36年前、イタリアのトリエステでデビュー舞台を行った私としては、本当に不思議です。当時は、韓国人の公演を見に来るためには、本当に上手に歌わなければなりませんでした。これからは、韓国の歌をもっと上手に歌って、韓国的なものをたくさん残さなければならないと思います」

来年7月、フランス・パリでは曺氏の名前を取った第1回曺秀美国際声楽コンクールが開かれる。コンクールの入賞者には、曺秀美と一緒に公演する機会を与える。また、世界的なアルバム会社であるワーナーミュージックとアルバムを製作する。曺秀美はこのコンクールで、審査委員長を務める。曺氏は、「36年間私が歩んできた道を認めてもらって、本当にありがたいと思う」とし、「このコンクールが、新人声楽家たちが世界舞台に進出する登竜門になることを願う」と話した。

今年で還暦になった曺氏は、「まだやっていない色々な音楽を試みてみたい」とも話した。

「世の中には多様な文化が存在し、これはその地域に住む人々の暮らしとつながっています。音楽を通じてさまざまな文化を知っていくことは、ミュージシャンとして非常に価値のあることです。伝統的クラシックの枠から抜け出し、様々な形の文化と音楽をこなす声楽家として生きていきたいです」


李知訓 easyhoon@donga.com