
昨年1月にトランプ米大統領が署名した出生地主義の制限に関する大統領令は、先月30日に米連邦最高裁で違憲と判断された。それでもトランプ政権は、外国人妊婦の入国禁止や出産目的の渡航に対する規制強化に乗り出す方針を示した。最高裁の判断にもかかわらず、強硬な反移民政策を維持する姿勢を鮮明にしたものとみられる。
米政治メディア「アクシオス」によると、1日(現地時間)、最高裁判決直後から、トランプ氏の側近や熱烈な支持層である「MAGA(米国を再び偉大に)」陣営では、「外国人妊婦の入国禁止」などを通じて出生地主義を可能な限り制限しようとする動きが広がっている。親トランプ系保守メディア「ザ・フェデラリスト」の創設者で、MAGA陣営に大きな影響力を持つショーン・デービス氏が、この案を強く主張しているという。
トランプ政権の反移民政策の設計者とされるスティーブン・ミラー大統領次席補佐官も、FOXニュースのインタビューで、「一時的な訪問であっても、誰を米国に入国させるか慎重に考えなければならない」とし、「(外国人妊婦の入国を認めれば)本来なら米国市民ではなかった子どもが米国市民となり、米国の社会保障制度に組み込まれることになる」と主張した。
コリン・マクドナルド司法次官補は同日、司法省職員に対し、「出産目的の渡航をあっせんする詐欺行為の処罰」と題するメモを送付した。マクドナルド氏はその中で、出産目的の渡航のための虚偽のビザ申請を行った場合、ビザ詐欺、医療詐欺、送金詐欺、資金洗浄などの重大犯罪として起訴する方針を示した。また、出産目的の渡航をあっせんする行為の多くは、米国渡航の目的や滞在期間について虚偽の申告をするビザ申請から始まるとし、大規模な取り締まりを指示した。
米シンクタンク「移民研究センター」の2020年の資料によると、米国には年間2万~2万6千人の外国人妊婦が入国している。ただ、この制度を実施した場合、妊娠の有無をどのように確認するのかなどを巡り、さまざまな論争が予想される。全米女性法律センターのケイティ・オコナー理事はアクシオスに対し、「誰が妊娠しているのか、妊娠がどのように進んでいくのかというデータが、連邦政府や50の州政府の手に渡るという発想自体が極めて危険だ」と指摘した。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、連邦移民当局は最近5日間だけで1万人を超える不法移民を拘束した。1日当たり約2千人で、今年初めの同期間と比べてほぼ2倍に増えた。米国移民税関捜査局(ICE)の幹部も職員に対し、強制送還が可能な移民の拘束に集中するよう指示したと、同紙は伝えた。
郭道英 now@donga.com






