
投票用紙不足問題を巡り、国会の国政調査を受けている中央選挙管理委員会が、国政調査特別委員会による会議録提出要求を回避するための対応を検討した内部文書が明らかになった。この文書には、会議録の提出を拒む法的根拠はないと認めながらも、選管委員の氏名を伏せた会議録を非公開で閲覧させるなど、段階的な対応が示されていた。別の文書では、魏哲煥(ウィ・チョルファン)選管委員長職務代行(常任委員)の辞任要求への対応論理を検討し、非常勤委員長代行体制であることを理由に責任性の弱さを強調した。
これらの内部文書を見ると、選管が今回の事態の深刻さを十分に認識しているのかさえ疑わしくなる。選管は、国政調査特別委員会による会議録提出要求に対しては、個人情報流出の恐れや自由な意見交換が妨げられるといった従来の提出拒否理由は通用しないことを認めていた。にもかかわらず、会議録の全面提出を避けるため、第1段階では発言した委員の氏名を匿名にしたうえで閲覧のみ認め、第2段階では匿名にした会議録を提出するなど、小出しの対応策を示した。真相究明や自己改革への意思は見られず、組織防衛に汲々としている選管の実態を如実に物語っている。
これまで次々と明らかになった選管の情けない実態に、国民は失望を隠せずにいる。一部の極端な陰謀論として片付けられてきた不正選挙説に、多くの国民が耳を傾けるようになったのもそのためだろう。2日に公表された4つの世論調査機関による全国指標調査(NBS)では、6月3日の統一地方選について「意図的に投票結果を操作したり、特定候補に有利になるよう選挙運営を行ったりする不正選挙があった」との主張に対し、回答者の42%が「そのような不正選挙があったと思う」と答えた。選管に対する国民の不信を解消しない限り、不正選挙説の拡散を食い止めることは容易ではないだろう。
選管は今や、組織の解体に匹敵する全面改革を求められている。幹部子女の縁故採用や選挙期間中の短期休職など、常識では考えられない問題が明るみに出るたび、選管は独立した憲法機関であることを盾に外部のメスを拒んできた。その結果、誰からも統制されない「無風地帯」と化し、閉鎖的な組織の中で無能と無責任、腐敗を放置した選管は、ついには国民の参政権を侵害し、選挙への信頼を損なう当事者となってしまった。自ら存在基盤を失った選管に、今こそ厳しい責任を問わなければならない。






